47話 世界が動くとき。
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とするオレたちに応えてくれているぞ」
「何も君らのことではないよ。君らの想いなど世界のごく微小な想いに過ぎない。多数決なだけだ。崩壊を望む想い、諦め、後悔の念、世界の比重がそちらに大幅に振れているのだ」
するとシャアが落ち着いた声で答えた。
「成程、ここに来たことだけをコンパクトに考えた方が目標が見えやすいようだ」
その答えにシロッコも賛同した。
「そうだな。目の前のデカブツを叩く。それだけに専念しよう」
フロンタルはその2人の言に頷いた。
「潔い。君たちが集まれた理由を一つ嫌がらせながら言っておこう。どうでもよいことだが」
フロンタルがそう言い、アムロたちは黙って聞いていた。
「思想が異なり、殺し合うものたちが恨みつらみを無視して一つにまとまれたことは1つの共通の目的であるこの私が存在したことに感謝してもらいたいな」
アムロが静かに声を上げる。
「なんだと・・・」
「事実を言ったまでだ。このまま私が居なくて、事が進んでいったとすれば意味ない殺戮劇が繰り広げられていただろう」
カイがその挑発に応じるようフロンタルに答えた。
「お前の能書きでオレたちが救われたなら相応のお礼参りが必要だな。貴様を血祭に上げてな」
フロンタルは笑った。
「ハッハッハ、そんな物騒な言い回しは普通は私がするもんだがな」
「別に正義を振りかざすつもりなどない。こうまとまったまとまりない集団がやり場のない想いをただ貴様にぶつける、ただそれだけだ。後は学んできたことを反省して皆活かしていける頭と気持ちの整理は付いている」
フロンタルはカイの言う、周囲の想いを汲んでいた。とても皆が清々しい想いをフロンタルは感じ取っていた。
「確かにな。世界を拾いたいという想いはどの陣営にいようが方向性が違えど、同じなことは知っている。見事、ここまでまとまったものだ。だが・・・」
フロンタルの最後の語気に周囲の空気がビり付く。尋常でない程の圧力を空域に掛けてきた。
「ぐっ」
シロッコが堪えた。シロッコがこのプレッシャーに皆に檄を飛ばした。
「気合いを入れろ!このプレッシャー、気を失うぞ!」
シロッコの言う通り、周囲のモビルスーツの半数以上がぐったりと宙に浮くように浮遊していた。操縦桿から力が抜けて機体を静止できないとそうなる。パイロットが気絶した証拠だった。
ラー・ヤーク内でもオペレーターや操舵手、機関士、整備士など机や床に倒れていた。
ハヤトは椅子の肘にもたれかかり、ブライトはハヤトの椅子の背もたれを掴む様に堪えていた。
ブライトが隣を見ると、ベルトーチカ、ミハルとその場に倒れていた。
ハヤトは苦い顔をして、フロンタルのジオングを見据えていた。
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