第29話 日米英停戦交渉と元寇襲来 ターン29、30
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
――――海軍総司令部――――
太平洋艦隊はハワイ侵攻・制圧作戦を無事に成功させた。
平良中将の独断で戦域作戦に加わった第七艦隊を庇って第八艦隊が小破。
東郷長官の第一艦隊が中破したが真珠湾計画の図上演習における想定内の損害だ。
現在、海軍総司令部には、
軍令部総長を除く陸海軍の主要な司令官、幕僚が全て集まっている。
当然ながら全員が一か所に集まっているわけではなく通信も利用している。
「ハワイを占領した今こそ、続けて大軍でUSJに進軍し、
勢いに乗ってガメリカの奥深くワシントンまで侵攻する。
ガメリカの金の亡者どもの心胆を寒からしめる事ができるでしょう!!」
超右派閥の過激派、平良英知-タイラ エイチ-中将が会議の席で演説をぶち上げる。
「はわわ、そうは言っても……すでに特命全権大使として
エイリスに伏見軍令部総長が、
ガメリカに宇垣外務総長が向かっていますよ?」
第三艦隊の小澤祀梨-オザワ マツリ-中将が横やりを入れる。
軍令部の遠藤秘書官も口を出したかったが階級が低いため遠慮があった。
「ふん、総長閣下と親しい私が聞いてないんだぞ。ハワイ占領と同時に停戦交渉などと!!」
平良は総長閣下と呼ばれる男と随分親しい様子だが、あくまで彼の頭の中だけでの話だ。
小澤が(*´・ω・`)o0○(妄想乙)といった表情をしているが幸いにも誰も気づいていない。
「あらら……ま、停戦交渉タイミングはともかく。
私は日米開戦時に海軍長官の発案により御前会議で、
序盤圧勝・早期停戦プランが採択されたと聞いたけどねぇ」
第四艦隊の南雲圭子-ミナミグモ ケイコ-中将が発言する。太平洋艦隊のムードメーカーだ。
「そうじゃのぉ。逆に早期停戦プランが変更になったなど聞いてはおらんわい」
「日米開戦の後もガチャゴチャしてたけど、言われてみればそうだよなっ!」
第二艦隊の山本無限-ヤマモト ムゲン-大将、第六艦隊の田中雷蔵-タナカ ライゾウ-少将も同意する。
平良は日米開戦当時は軍病院に入院しており、二方面同時奇襲作戦には参加していない。
第七艦隊の提督になった後も自分の派閥以外の提督とは親しくしていなかった……。
平良が再び総長閣下からは聞いてないと声を出そうとするが、
「――失礼します。ベトナムを経由した秘匿通信が入りました。
フォルケナーゼはアラビアを通過し、スエズまで到達したとのことです」
「わかった」
議長である東郷長官が短く頷いて返事をする。
最初に無礼講だからと階級、役職を気にせず自由に発言するよう伝えている。
会議に口を挟むことなく提督たちの様子を観察していた。
「で、では少なくとも停戦交渉が失敗
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ