第三十三話 野獣征伐その八
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「これはっていうまではね」
「この山にもなかったんだな」
「そうだよ、それは残念だったよ」
「やっぱりあれか?」
淳二のいささか残念そうな返事を聞いてだ、久志はこう言った。
「それこそドラゴンとかいそうな山じゃないとな」
「そうしたものはないかな」
「俺が持ってるレーヴァティンみたいな、な」
自身のその剣を見てだ、久志は話した。
「それこそ世界を救うだけの力がある」
「それだけのものはだね」
「ないんだろうな」
「ドラゴンがいる様な山だね」
「それかドラゴンが持ってるかな」
言わずと知れた脅威の代名詞にもなっているモンスターだ、実際にこの世界でもまるで自然現象の様に恐れられている。
「そうだよな」
「よくある話だね」
「ああ、ないだろ」
「レーヴァティンみたいなものは」
「御前のその兜とかな」
「この山より険しい山も幾らでもあるしね」
今進んでいる道も道とは言えないものだ、あちこちに岩や石が転がっており歩きにくさは相当なものだ。それに角度も結構なものだ。
「そう考えたら」
「ここ位だとってなるか」
「あと一歩だね」
淳二はブロッケン山、彼等が今進んでいるその山を進みつつ述べた。
「この山は」
「ドラゴンはいないよな」
「グリフォンやキマイラは」
強力とされているこのモンスター達はというのだ。
「強いことは強いけれど」
「ドラゴンよりはランクが落ちるな」
「一ランクかそれ位はね」
「そうだな」
「ましてドラゴンも歳を経るとね」
長寿の種族だ、それこそ何千年生きる個体も普通だ。
「それだけ強くなるし」
「何千年ものドラゴンはか」
「もう神様みたいだから」
その域の強さを備えているというのだ。
「だからね」
「持ってるものも凄いな」
「うん、じゃあそういうドラゴンも探して」
「倒すか」
「そうする?」
「そうしていくか。それか」
こうも考えた久志だった。
「仲間になってもらうか」
「そのドラゴンに」
「神様位強いとな」
そこまでの強さを持っている存在ならというのだ、久志はその力を考慮してそれで戦い奪う以外の方法も考えたのだ。
「だったらな」
「仲間にしてだね」
「一緒に戦ってもらうか」
「ドラゴンもなんだ」
「そうも考えたがな」
「それはまた凄いね」
淳二は久志のその言葉に実際にいささか驚いた顔になって返した。
「ドラゴンを仲間になんだ」
「いいだろ」
「悪くない考えだね、ただね」
「ドラゴンを仲間にするとなるとか」
「相当に難しいよ」
久志に真剣な顔で話した。
「言うでもないと思うけれど」
「そうだろうな、それは」
「だって神様に近い力を持っているから」
年老いたドラゴンはというのだ、何千年と生きて
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