第四十三話 コルベール現る
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いる事にようやく気づいたラザールは、マクシミリアンを零戦の前まで導いた。
「ようこそ殿下! 見て下さい。竜の羽衣はいよいよ飛ぶことが出来ますよ!」
ラザールは年甲斐も無オくモチャを見せびらかす子供のようにウキウキしながら、マクシミリアンにあれこれ説明を始めた。
「その話の前に、こちらの人はどちらで? 良かったら紹介して欲しい」
コルベールの方を見てマクシミリアンは言った。
「このお方は……」
「ミルタ・ラザール。私に言わせてください」
コルベールは、礼に則って自己紹介を始めた。
「ジャン・コルベールを申します。トリステイン魔法学院にて教師をしております」
(やっぱりそうだったのか……)
「ミスタ・コルベールは、わざわざ魔法学院から暇を見ては、ウチの工房へ足を運んで私の研究を手伝ってくれるのです」
ラザールが細かい事を説明してくれた。
「なるほど、事情は分かったよ。二人とも、トリステインの為にその才を貸して欲しい」
「御意」
「畏まりました」
二人はマクシミリアンに膝をついた。
……
「ところで竜の羽衣の解析は済んだのか?」
「はい、一度分解して、今日ようやく復元が終わり。エンジンを動かそうと思っていたところに、殿下が参られたのです」
「良いタイミングだったという事か。僕も見物させて貰おう」
ラザールは、零戦の風防を外し自らコックピットに乗り込み操縦桿を握った。
「ミスタ・コルベール。プロペラを回して下さい」
「承知しました」
「ラザールが乗るのか?」
「左様です殿下。危ないですので、少しばかり下がっていてください」
「分かった」
「ミスタ・ラザール。準備できました」
コルベールは魔法でプロペラを回した。
「よし、行きます!」
ラザールは元気良く宣言したが……
「……」
「……はて?」
「動かないのか?」
零戦のエンジンは動かなかった。
「どどど、どういう事だ? 復元を間違えたか!?」
「ミスタ・ラザール。落ち着いて」
「こうしてはいられない! もう一度分解して復元のやり直しを」
「燃料は入ってたんだよね?」
「はい、殿下。燃料もちゃんと入っています」
「何が原因なのでしょう」
「分かりません。ともかくもう一度、良く調べて見ます」
「失敗は成功の母だ。ラザール、気を落とさないように」
「もちろんです殿下。この程度で気を落とすほどヤワではありませんぞ」
「頼もしい言葉だ」
……
結局、ラザールは夜通し点検に図る事になった。
マクシミリアンはお暇し、コルベールも
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