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水の国の王は転生者
第四十三話 コルベール現る
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 アルビオンへの新婚旅行出発まで1週間を切ったある日の事。
 マクシミリアンは、タルブ村で買い取った零戦の状況を見るために、新宮殿の敷地内にあるラザールの工房に足を運んだ。
 ハルケギニア初の蒸気機関が開発されたラザールの工房は、中小企業の工場を連想させる2階建てのレンガ造りの建物で、8割を巨大な工房に割り当てた構造になっていた。

 マクシミリアンは工房内に入ると、作業中に煙が篭もらない様に2階部分が無い高い天井が目を惹き、工場特有の鉄と油の臭いが鼻を突いた。他にも天井まで届く長い煙突とその下に、鉄を溶かす高炉らしきものや蒸気機関を動力とする作業機械がが見えた。
 ラザールの姿はすぐに見つかった。広い作業場の中央に置かれた零戦に張り付いて、新宮殿では見ない助手らしき男と何やら作業をしていた。

「ラザール、竜の羽衣はどの位調べた?」

「……あれでもない」

「……これでもないですぞ」

 マクシミリアンはラザールに声を掛けたが、助手の男共々、一心不乱に零戦を調べていた。
 
「邪魔するのも悪いか」

 マクシミリアンは、ガラクタらしき鉄屑に腰を下ろし二人の作業を見守ることにした。

「ミスタ・コルベール。竜の羽衣が何で動いていたか分かりましたか?」

「ミルタ・ラザール。これを……」

 助手の男はコルベールという名前で、髪が戦略的撤退をし始めた風采の上がらない男だった。コルベールは側においてあったカップに杖を振ると独特の臭いのするガソリンを錬金した。コルベールは燃料タンクの中に残っていた臭いや微量のガソリンなどを研究した結果、ガソリンの錬金に成功しのだった。

「素晴らしい! これで竜の羽衣は空を飛ぶ事ができるのですね」

「そうですね、早く動かしてみましょう。楽しみですなぁ!」

 二人は、マクシミリアンが見ているのも知らず、和気あいあいと零戦の燃料タンクに錬金したガソリンを注いだ。

(コルベール? 何処かで聞いた名前だが……)

 マクシミリアンは、記憶の中から該当する名前を捻り出した。

(そうだ、たしか魔法研究所(アカデミー)の実験小隊の……でも何でここに居るんだ? 魔法学院の教師じゃなかったっけ?)

 マクシミリアンが、黙々と考えていると、コルベールがマクシミリアンが居る事にようやく気付いた。

「もしや、マクシミリアン王太子殿下なので?」

「やあ、ようやく気付いたね」

 ガラクタの上で胡坐をかき、コルベールに向かって手を挙げた。

「ミスタ・ラザール! 王太子殿下が御出でですよ!」

 コルベールの声で、マクシミリアンが来て
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