第27話 レーティア・アドルフの涙 Ev10
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結果的には婚約者を護ったんだ。立派じゃないか!」
「まあ、そうですけど……。
とにかく大日本帝国海軍では、
東郷と伏見は軍派閥を二分するほど女性士官に人気があります。
とは言っても二番手の伏見と東郷の差は大きいみたいです。
二人とも何でモテるのか分かりませんが……」
「トーゴ―は写真だとカッコイイ感じだな。
伏見は写真の印象だとカワイイ感じであったが、
話してみれば理知的で男らしい一面もある。
地位も名誉もある人間なんだモテるのは当然じゃないのか?」
「そりゃあ確かに悪魔も人間の皮を被っているときは優しいですしね。
何度か一緒に戦いましたが、頼りがいもあると思いました」
「東郷にはデートに誘われたみたいだけど、
伏見も食事くらい誘わなかったのか?」
「あ、はい。富士山の見えるホテルのバーで、
マウント・フジというカクテルをご馳走になりました。
おいしかったです。他にも日本料理や美術館……。
惑星日本の衛星で古都キョウや商人の星オオサカに行きました。
それにアプフェルザフトやドイツワインも頂きました」
「なんだ。いつの間にか随分と日本を満喫してるじゃないか」
「あ、いえ……これは総統が来日されたときに
伏見と一緒に観光案内ができるようにと……
事前視察です……同盟国との友好関係の構築、任務の一環です」
「ぷぷっ……何だかんだ言って伏見と随分仲良くなってるじゃないか」
「え? ……でも伏見はムッツリスケベだと思います。
トーゴ―がチャラい感じのオープンスケベだとしたら、
伏見は大人しそうな羊の仮面を被った夜の悪魔です」
「へー、デーニッツは、その夜の悪魔を怒らせて血を吸われたのか?」
「い、いえ、これは予想です。でも間違いありません。女の勘です!」
「でも昔みたいに嫌ってはいないんだろ?」
「はい……そうですね。尊敬すべき部分も多くあります」
「ほらやっぱり。うんうん。
最初はゲッベルスが心配してたが、
デーニッツを日本に送ったのは正解だったな」
「そ、そんな……アドルフ総統が倒れたときに
本国に居て助力出来たらと何度思ったことか――」
「そうだな。皆には随分と迷惑をかけた。
ゲッベルスが伏見にドクツに助けに来て欲しいと
無茶を言ったそうじゃないか」
「すいません。あの悪魔の身体を真っ二つにしてでも
一人や二人の伏見を私も送りたかったのですが――」
「いやいや、伏見はあくまで日本の軍人なんだ無茶は言えない。
まあ伏見がいたら100%は無理でも、
70%くらいの状態は維持できたかもんしれん。
ただ日本海軍のように東郷、伏見どちらか
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