立食パーティー編-3-
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な美男子だ。
見方によっては女性が男装しているようにも見える。そう勘違いしても可笑しくはないはずなのだが……?
ムラクモはいつ、リアの男性姿を見たのだ? それとも元からリアが男性だという事を知っていたのか?
「ムラクモさん……貴女はいつ……リアさんの事を……」
ちょっとした疑問のはずだった。なのにたった一つの疑問から沢山の疑問が発生してゆく。怖いくらいに。疑問は疑惑へと変わってゆく。
「わっ!?」
ルシアの中で疑惑が確信に変わりかけた時だった。急にムラクモが大勢を崩しルシアの方へ倒れたのだ。
持っていたワイングラスは床に落ちて大きな音をたてて粉々に割れてしまった。中に入っていた赤ワインは全てルシアにかかり、白いシャツが赤紫色染まってしまった。
「ごっ、ごめんなさいっ!」
ルシアの真上に転げ乗ってしまったムラクモはすぐに起き上がり、ズボンのポケットから菫が刺繍されたハンカチを取り出し、シャツをふくが
「と、とれないっ」
完全に染み込んでしまった。赤ワインはそう簡単にはとれなかった。
「僕は大丈夫ですから。ムラクモさんこそ大丈夫でしたか?」
ぺたぺたと叩き赤ワインをとろうと頑張るムラクモにそっと手を添える。
「フギャーーー!!!」
軽く手を添えただけのつもりだったのだが、何故かムラクモは耳まで真っ赤になり奇声をあげて大きく飛び上がり、離れて行った。もしかしてまた何かいけない事をしてしまったのだろうか。
心なしか、彼女の頭から白い湯気が上がっているように見えるのは気のせいだろうか……。
「ムラクモ……さん?」
声をかけても彼女から返ってくる返事はない。視線を合わせようと顔を動かしても、右へ左へとそっぽを向かれ全然合わせてくれない。これはこれでかなり傷つくものがある……。
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