立食パーティー編-3-
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はなにか悪い事を考えていますよ、と書いてある。
「リアってさぁどっちのトイレ使うのかな?」
ニヤリと大きく口角を上げてランファは言った。
「どっちとは?」
「女子トイレか、男子トイレかって事だよ!」
「え…そんなの男子トイレなんじゃ…」
「あの恰好で?」
あの恰好で、と言われて思い出した。そうだった、今のリアは女性の姿をしていたのだった。
だがリア本人は男性なわけで……では男子トイレに行くべきなのだが、女性の姿のままで入れば大問題になり大騒ぎとなるだろう。だがかと言って、女子トイレに入ると言うのは何とも言えない罪悪感がある。
「気になるでしょ?」
「そ、それは……まぁ……?」
確かに気になると言えば気にならないこともない。だが、だからと言って自分達が何か出来る事なんてなにも……。
「よっし、じゃあ覗きに行こう!」
「えぇぇ!?」
……ない、と思っていたのはどうやらルシアだけだったようだ。
ランファは瞳を小さな子供のように輝かせ、リアのお手洗い光景を覗く気満々で
「大丈夫っ。大丈夫。ばれない自信あるから」
「そうゆう問題じゃなくて…」
止めるルシアのかいもなく
「ランファ、いっきまーす!」
「あっ、ちょっとっ!?」
片腕をぴんっと天高くあげ大きく宣言すると駆け足で会場の外へと出て行ってしまった。その表情は清々しい程に煌めいて
「…………」
「ってシレーナまでっ!?」
静かにスタスタとあと追いかけて行くシレーナもまた同じ表情だった……。
一人会場に残されたルシアは両手で頭を抱え、大きく振るい
「女の子が考える事はわからないよ」
溜息混じりに大きな独り言を言っていると
「本当ですよね……」
返っては来ないと思っていた返答が背後からさせたのだ。
驚き振り返ってみると、そこには男性用の執事風衣装を着たムラクモが立っていた。片手には赤ワインの入ったグラスがのったおぼんを持ってることから、今はウエイターとして働いているようだ。
「男性のお手洗いが見たい、なんて私には理解できません」
「そ、そうですよね!」
良かったそれが普通の反応ですよね、変わっているのはあの子達の方ですよねと、ほっと胸をなで下ろして一安心すると同時に変な違和感に気が付いた。
「あれ? どうしてリアさんが男の人だって知っているんですか?」
「えっ」
ムラクモとリアが初めて出会った時は女性の姿だったはず、ルシアが知る限り男性の姿でリアが現れたのは彼の家でのみ、それ以外ではいつも女性の姿だった。
女性の姿のリアはまるで本当の女装にしか見えない完成度。男性の姿のリアは男らしいというよりもどちらかと言えば中世的
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