第四百九十五話
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第四百九十五話 先生達も察して
今田先生と今日子先生はこの時も二人でティータイムを楽しんでいた、だがその時に今日子先生が不意に今田先生に言った。
「来るらしいわ」
「そうなの」
「ええ、もう飛行機に乗ったそうよ」
こう言ったのだ。
「それも新大阪空港行きの」
「というと」
「間違いないわね」
「私達に来るわね」
「前のことでね」
「オーストリアでのことは」
今田先生はおっとりしているが確かな声で言った。
「今も覚えてるわ」
「私もよ」
「あの時は大変だったわね」
「あの時あの人は退いたけれど」
「また何時かね」
「そう思っていたから、私も」
だからという言葉だった。
「驚いていないわね」
「ええ、冷静なつもりよ」
「実際に香織ちゃん冷静よ」
そうだとだ、今日子先生は笑顔で答えた。
「私から見てもね」
「だといいけれど、それを言ったら今日子ちゃんもね」
「私もなのね」
「冷静ならね」
「その分大丈夫ね」
「そうね。ただ今回はね」
「あの娘達に任せられないわね」
今日子先生は今田先生に冷静に答えた。
「博士はお願いする形になっているから」
「博士は最近大人しいけれどね」
「何時何をするかわからない人だし」
「博士に専念してもらわないといけないから」
だからだというのだ。
「あの人は私達で何とかしましょう」
「そうすべきね」
「じゃああの人が来たら」
「私達でね」
「何とかしましょう」
こう話した、その上で今田先生は今日子先生に言った。
「もう用意は出来るから」
「何時でもよね」
「私のお家にあるから」
だからだというのだ。
「安心してね」
「私のお家にもあるから」
「じゃあ余計にね」
「安心出来るわね」
二人でにこりと笑って話した、そうして先生達はまた紅茶を飲むのだった。ティータイムのそれを。
第四百九十五話 完
2017・11・2
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