第十幕その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「満開になるね」
「そうなんですね」
「そう、それにね」
「それに?」
「和歌会の後はね」
「お花見ですね」
「そちらも楽しめるからね」
だからというのです。
「今から楽しみだよ」
「桜は色々と楽しめますね」
「というか桜の楽しみ方を見付けてきたのがね」
「日本人ですね」
「僕達はその楽しみの中に入っているんですね」
「そうなるね」
こうトミーにお話するのでした。
「何しろイギリスにはここまで桜は咲いていないからね」
「あることにはありますが」
「ここまではないね」
「はい」
その通りと答えたトミーでした。
「だからね」
「桜の楽しみ方はですね」
「日本人が見付けたんだ」
その色々な楽しみ方をというのです。
「そうなってるんだ」
「そういうことですね」
「うん、じゃあね」
「和歌会もお花見もですね」
「楽しみにしていよう」
是非にというのです。
「僕達もね」
「はい、それで図書館では」
「本を探しているんだ」
「論文の文献をですね」
「今度はカイギュウについて書いているけれど」
「ああ、カイギュウさんだね」
ガブガブはカイギュウと聞いて言いました。
「マナティーさんやジュゴンさんだね」
「暑い海にいるよね」
そうした生きものはとです、ジップも言います。
「どのカイギュウさんも」
「僕達沖縄に行ったし」
チーチーが言うにはです。
「あっちの海にもいるんだよね」
「じゃあその時のことも活かして書くのかな」
トートーは先生を観ながら言いました。
「先生は」
「あの時は蛇さん達のことでかなりあったけれど」
ポリネシアはあのヒャンやハイのことを思い出しました、沖縄の人達でも滅多に観られない彼等のことを。
「ジュゴンさん達もいたわね」
「沖縄は本当にいい場所だったね」
ホワイティも沖縄でのことを思い出しています。
「美味しいものも一杯あって」
「そうそう、また行きたいね」
「そうよね」
チープサイドの家族も沖縄のことを思い出しています。
「機会があれば」
「是非ね」
「あっちじゃもう桜が咲いているそうね」
ダブダブが言うのはこのことでした。
「桜を早く観られるし余計にいいわね」
「冬も暖かいだろうね、沖縄は」
「あの時は暑い位だったし」
オシツオサレツも言います。
「それじゃあね」
「もう冬はない位だろうね」
「そしてその沖縄に行った時のこともだね」
老馬が先生に尋ねました。
「先生は今度の論文に活かすんだね」
「いや、カイギュウはカイギュウでもね」
それでもと言う先生でした。
「河にいるカイギュウだよ」
「あれっ、海にいるんじゃなくて」
「河にいるカイギュウさんなの」
「そちらなの」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ