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お人好し物語
第1話
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をおとこに渡した。

   「有り難き幸せ!大切に致します!」

   そう言い放つと男はさっそく外へ出る準備をした。スーツではなく私服を着て。

   「やっぱり嘘だったのか!」
   「私服でも大丈夫な面接なんだよ。多分。」 
   「多分って何だ多分って!」

   初老の男の小言を聞き流し、男は家を出た。

   「晩飯までには帰るから!」
   「二度と帰って来るな!」
 
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