第四十六話 勇者達の帰還
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船すると美人の女医や看護婦達による健康チェックが行われはじめた、
その話を聞き、多くの兵が我先にと検査を受けに来て女医や看護婦に見とれながら、
レントゲンやCTスキャン血液検査などが行われたのである。
そして病気を持つ者は病院船へ移されて治療を受け始めたのである。
実際此はテレーゼが人間心理を考えて女医を配置したのであり、
それでも中々来ない人間は注意するようにしたうえ、
血液検査にかこつけ、フェザーンの独立商人コーネフ氏から密かに買い込んだ、
DNA検査キットにより詳しい親族チェックが進んでいたのである。
そんな中、クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー大佐は心電図に異常が見られた為、
病院船へ移り詳しく検査した結果、
心筋梗塞に成りつつある事が判明し早急な処置を行われる事と成った。
■エル・ファシル 同盟側帰還兵収容エリア
同盟軍の帰還兵達は幽鬼のような兵達が多数であった、
地獄を生き抜いた者達は、隣同士でも啀み合い、
中には既に掴み合いをする兵すら居る。
その者達をMPが厳しく取り締まるが、
兵達から『安全な内地にいる犬っころ野郎共』と罵声が飛ぶ。
その喧噪の中、国防委員長が現れ長い訓辞を話し始めた、
苛つく帰還兵達、騒ごうとするがMPが銃で威嚇を始めている。
『俺達は国の為に働いたのにこんな仕打ちかよ』
多くの兵が苛つきを隠せない。
やっとの事で国防委員長以下の長い演説から解放されたが、
今度は国防族が兵達に万年筆や靴下とかタオルとか時計を配りだした。
そういった品物にはなんと委員個人の名前や政治団体の名前が記入してある。
早速100万の有権者にたいして選挙運動をし始めているのである。
帰還兵達は口々に『俺達を戦場に送り出して、謝罪に来たかと思ったら選挙運動かよ、巫山戯けんな!』
『てめーらは、ハイネセンでぬくぬくしやがって、矯正区で地獄を見やがれ!』
など口々に罵声を浴びせ始めた。
その声を聞いたある議員が、
『君達が帰れたのは私たちの努力のたまものなのです。
感謝こそされても罵声を浴びるような事はしておらん!』
などと火に油を注ぐ状態になりMPが割って入る始末であった。
帰還兵は順次取り調べを受け、少しでも怪しい帰還兵は別室へ連れられ監禁された。
此は諜報員の侵入を防ぐ為のモノであるが、
取調官の余りの態度にキレる兵が続出し大変な混乱と成っていった。
また、疑いのない兵達は解放された喜びから、
なんかと箍をはずして行動し、彼方此方でトラブルを起こしまくっていた。
酒を飲み、基地内の兵士やエル・ファシル市街へでて喧嘩をする。
女性にからんだり襲ったりする。
町中や通路で立ち小便をしたり器物を損壊したりする。
その他数え
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