remember memory
ep.0002 remember memory 騎城&七草 中編
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し合いレベルの戦闘が頻繁に起こるため、建物には銃弾の跡が腐るほどある。
多くの銃弾が壁面を貫通していて、建物の中が見えるくらいだが、ある一角だけは銃弾がめり込んだだけで貫通するまでには至っていなかった。
俺はそれを見てすぐにそこがシェルターだと理解した。
それからしばらくして、快楽殺人者になってから殺した奴の一人が武器商人だったことを知った俺はそいつの持っていた武器を幾つか奪い、廃ビルに仕掛けた。
爆弾もそいつが商品にしていた物だ。
爆弾を見つけた時から仕掛ける場所はシェルターのある例の廃ビルだと決めていた。
爆発とビルの倒壊が終わり、相手は瓦礫の中。
なんとか危機を脱した俺は騒ぎになって人が集まってくるよりも前にここから離れることにした。
(あんな奴...いるのか。)
「まだ、詰めが甘いな。」
驚くほど冷たい声が背後から聞こえた。
俺は不意に振り返って攻撃を防ごうとしたが間に合う訳もなく相手は俺の肩から背中にかけてを斬る。
血が飛び散り、先の戦闘でのダメージもあって俺はその場に倒れる。
幸いなことに大量出血によるショック死こそなかったものの、すごい勢いで血が体から出ているのが感覚として理解できた。
その時点で俺は自分の死を悟った。
正気を保てなくなりそうなくらい体が熱いのに、指一本動かすことができない。
(あの爆弾には少し驚いたな。1つであの規模の爆破が行えるのなら今後使えるのかも知れない。だが。)
「終わりか、呆気無いな。」
相手は俺をまたいでとどめを決めようとしていた。
俺はピクリとも動けない。
この時、目の前に死がある恐怖を俺は初めて知った。
そして諦めた。
「せめて来世が報われますように。」
刀が振り下ろされる。
冷酷な刃は俺の喉を貫通し、鮮血を飛び散らせるとともに俺に死を与える。
そう思った。
しかし、その刃が届くことはなかった。
よく見ると、相手の動きが拘束されたかのように刀を持つ腕が動かなくなっていた。
(腕が動かない。)
相手は少し動揺しているように見えた。
その時、奇跡的に俺の体に感覚が戻り、一時的に動くことを許された。
俺は落としてしまったナイフを咄嗟に拾い上げ、相手を刺そうとした。
しかし、その一撃は当たることなくズレた。
俺の照準が定まらなかったからだ。
(コイツ能力者なのか、でなければ腕が動かない理由が説明できない。どうやらこれ以上やればこちらも被害は考えざるを得ないな。退却か。)
「運が良かったな。」
相手は刀を仕舞うとその場から立ち去る。
その時、相手の肩に入れられた妙な刺青が俺にはやけに記憶に残った。
その刺
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