第25話 ニイタカヤマノボレ八八九四六四 ターン27,28
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大防空機能を備えた防衛艦の運用をドクトリンの中心に採用している国はない。
防衛艦の登場により、宇宙艦隊の戦いは大きく様変わりするだろう。
これまで以上に事前の偵察および情報戦、敵戦力の分析が侵攻作戦の勝敗を分ける。
「太平洋艦隊は大丈夫でしょうか?」
「第三艦隊を除く残り七つ正規艦隊が参戦、
非正規艦隊からは特設艦隊、遊撃艦隊、海援艦隊の三個艦隊が参加します。
大日本帝国海軍の総力を挙げた一大会戦です」
「東郷長官を信じましょう」
「第三艦隊、海兵艦隊はエイリス軍の動きに注力。
マニラ2000の潜水艦隊はいつでも対応できるように連絡」
「本土防衛の零号艦隊を経由した秘匿通信が来ました―トラトラトラです」
「トラブルなく、図上演習通りに各戦域に艦隊が集結か」
「第七艦隊は戦域に参加せず後詰のようです」
「東郷長官は九個艦隊を三つに分けて敵を殲滅するつもりだ」
「第一戦域は捨てましたか」
「偵察艦隊だけだ。戦況に影響がない。謎の惑星の調査は諦めたそうだ」
こちらで出来ることは何もないが、戦況が気になるのだろう。
時折り送られてくる情報を分析しながら幕僚たちが騒ぎ始める。
「最近は軍令部総長が第三艦隊兼任で前線にいるから、
後方待機が少なかったけど、大会戦の結果を待つだけってのは逆に不安だな」
「惑星の時間と、亜光速で移動してる宇宙艦隊の戦闘時間はズレがあるからな」
「どちらにせよ、量子通信での報告を待つだけさ。無事を祈ってろよ」
「伏見総長はいつも落ち着てますね……」
「そうね(かわかっこいい……)」
「新任の太平洋艦隊司令官キャロル・キリングの力量は未知数だが、
ま、東郷長官の大戦術家としての力量に疑いはないさ」
「イーグル・ダグラスは大統領選挙に負けたんだっけ?」
「負けたのは党の候補者指名選挙じゃなかった?」
「ガメリアの大統領選挙は予備選やら本選挙とか複雑だからな」
「キャロル・キリングはキリング財閥の令嬢だろ。まともに戦えるのか?」
「下が優秀であれば司令官は判断力や決断力、理解力さえあれば良いんだ。
あそこは軍需・兵器産業の総本山だ。そりゃ優秀な幕僚スタッフも抱えてるだろうさ」
「世の中には優秀な幕僚スタッフを使いこなせない上官も多いけどな」
「エイリスの貴族提督とか?」
「あの国は騎士に叙任されてる提督と、
貴族の地位だけで上に立っている提督との差が大きいな」
「僕に言わせたら東郷長官以前の旧海軍も酷かったと思うけどね。
敵を侮るより、敵の振り見て我が振り直せだよ」
「はっ、すいません。伏見総長」
「そうだよ(便乗)」
「ま、トラトラトラは
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