第三章
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「そこに座ってもらうからな」
「それで僕が学校のことを色々とですか」
「そうしろ。いいな」
「じゃあまあ」
聡もそれを断ることはしなかった。言われてそれで断ることをする程彼はものぐさではなかった。それで先生の言葉を受けてだった。
彼が正代に色々と教えることになった。その彼に周囲はホームルームの跡でやっかみ半分になって言った。
「おい、運がいいな本当に」
「可愛いじゃねえか」
「あの娘といつも一緒かよ」
「それで教えてあげるって?」
「どんだけついてるのよ」
「だから性格だよ」
ここでもこう言う聡だった。
「本当に性格ブスだったら仕方ないだろ」
「またそう言うのね」
「性格か」
「どういう娘かわからないからな」
とにかくそのことを重視していた。人間は性格だというのだ。
「だからな」
「何か面白みがないな、おい」
「ここで可愛い娘の相手ができてラッキーとかな」
「そう言ってくれたら面白いのに」
「ちょっとがっかりしたわ」
「そういうことだから。じゃあ今から」
聡はクラスの友人達に淡々とした感じで述べた。
「あの娘に色々とね」
「教えるってか」
「そうするのね」
「ああ、それじゃあな」
こう言って今はクラスメイト達と分かれてそのうえで正代のところに向かった。そしてそのうえで色々と彼女に教える為に一緒にいることになった。
何日か正代と一緒にいて学校の中を案内したり勉強のことを教えた。その中で彼女は聡にこんなことを言った。
「この学校って」
「気に入ったかな」
「あれね。お花が多いのね」
「お花?」
「そう、お花」
今二人は昼休みの校庭にいる。食堂を紹介してそこで一緒に食べてから校庭に出たのは聡が案内したからだ。
その緑の校庭にいて正代は言うのだ。
「お花多いのね」
「そういえばそうかな」
「秋だとね」
正代は庭を見回しながら言った。
「色々なお花の中でも」
「その中でも?」
「コスモスが好きなの」
見れば校庭にはコスモスもあった。淡い色のその花は静かに咲いている。
そのコスモスを見ながら正代は聡に言った。
「私実はお父さんの仕事の関係で転校が多くて」
「そうなんだ」
「ええ。それで色々な学校回ってきたけれど」
「それでも?」
「この学校のコスモスが一番奇麗ね」
今もコスモスを見てそれで言った言葉だ。
「そう思うわ」
「そうかな。そんなに奇麗かな」
「後藤君コスモス嫌い?」
「いや、嫌いじゃないけれど」
それは否定する彼だった。
「別にね」
「好き?じゃあ」
「好きかっていうと」
首を捻って言う聡だ
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