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チェロとお味噌汁と剣のための三重奏曲
7. あなたの声が聞きたくて(後)
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 数週間前のある日、ロドニーさんが大学の清掃の仕事を終え、晩ご飯を食べようと食堂で順番を待っていた時の事だった。ロドニーさんのはるか先で、鳳翔さんと、鳳翔さんから夕食を受け取る僕の二人の姿を見つけたそうだ。

「む……普賢院智久め……こんなところでのうのうとご飯を……ッ!!」

 夕食を受け取った僕は、ロドニーさんにまったく気付かず、空いた席を見つけて、静かにその席についた。

 ロドニーさんは、僕に向けて静かに殺気を放っていたそうだが(全然知らなかった……)、ここでロドニーさんは、鳳翔さんが厨房内でえらくこそこそと動き回っていることに気付いたらしい。

「……鳳翔?」

 しばらく鳳翔さんを観察していると、鳳翔さんは、ある一角で立ち止まり、僕の方をジッと見つめはじめたんだとか。

 気になったロドニーさんは、夕食を受け取る順番が後回しになるのもいとわず、並んでいる列を抜け、裏口から厨房に入り、こっそりと僕を眺めている鳳翔さんに声をかけたそうな。

「……鳳翔?」
「ひ、ひゃいっ? ぁあ、ロドニーさんでしたか……ほっ……」
「えらくこそこそとしてるが、どうかしたか?」
「あ、いや、あの……今はちょっと……」
「?」

 鳳翔さんが僕を指さし、ロドニーさんもつられて僕を見る。その時、僕はちょうどお味噌汁を手にとっていたそうで……

「奴がどうかしたのか?」
「シッ……見ていてください……」

 鳳翔さんに言われるまま、黙って僕を見つめる二人。僕は手に取ったお味噌汁に口をつけ、実に美味しそうに微笑んだ後、とんでもない間抜け顔(ロドニーさん談)で『ほっ……』とため息をついたそうな。

「……」
「ほわぁ……」

 ロドニーさんは、自分が『良き敵』だと思っている僕が、自分が放つ殺気に気付くどころか、お味噌汁を飲んだあと、気が抜けきった顔でため息をつく僕に、壮絶な怒りを抱いたらしいんだけど……

「クッ……奴め……ッ」
「……」
「……?」

 一方、鳳翔さんは、そんな僕を、ほっぺたを赤くして、熱心に見つめ続けていたそうな。

「鳳翔?」
「……」
「? ほーしょー?」
「ひ、ひゃいっ!?」
「えらく熱心にヤツを見つめていたが……」
「え……あ、はい……」
「ヤツがどうかしたのか? 私と同じく、お前もヤツと剣を交えたいのか?」
「ち、違いますっ」

 ロドニーさんの言葉を受け、鳳翔さんはわちゃわちゃと両手をふりふりしだしたそうで、普段そんな姿を見せない鳳翔さんは、ロドニーさんにはとても新鮮に見えたそうだが……なんだこれ。聞いてる僕もすんごいはずかしいんだけど……

 やがて鳳翔さんは、なお自分を追求してくるロドニーさんに対し、ほっぺ
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