7. あなたの声が聞きたくて(後)
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不意に、練習室の扉が勢い良く開く。
「おまたせしましたロドニーさんッ!!」
「赤城さん!?」
開いたドアの向こう側……逆光の中佇んでいたのは、ロドニーさんと同じく、薄水色の清掃服を着ているが、気合の入り方が半端ではない。剣術大会で主審を務めた時以上の気迫だ。目がキラキラと輝き、試合中のロドニーさんと同じ眼差しをしていた。
「オペレーション“フライング・フェニックス”ついに発動ですね!!」
「ヤツはまだか?」
「いえ! すでに到着しています!!」
そんな二人のやり取りが終わるやいなや、次にドアから入ってきたのは、歩くたびにチャリチャリとチェインメイルの音を響かせる、全身に散りばめたシュールなお日様が眩しい、ちょっと変な太陽の騎士。
「話は聞いた! このソラール、鳳翔と普賢院智久のためなら、助力は惜しまんッ!!」
「ソラールさんまで!?」
その、この場にあまりにふさわしくない風貌のソラールさんは、大会の時のように、Y字でキレイに上に伸びる。なんだっけ……太陽……まぁいいか。
「俺だけではない! さらに頼もしい味方がいる!!」
今度はソラールさんの足元から、とても可愛らしい……いや、一人はちょっとキモい……僕の新しい友達が、顔を見せていた。
「天龍二世さんと妖精さんも来てくれたんですか!?」
「コワイカー!」
ソラールさんの足元からひょこっと顔を出した天龍二世さんは、ソラールさんに負けず劣らずのバンザイをし、妖精さんは、そのカワイイ顔をキリリと引き締めて、とても凛々しい敬礼をしてくれる。
僕の足元にまとわりつき始めたその二人をよそに、ロドニーさんがソラールさんに歩みよる。なんというか、こう……金髪碧眼のロドニーさんと、お日様マークを散りばめた西洋騎士のコスプレをしたソラールさん……なんかハリウッド映画みたいだ……。
「ソラール。お前には、鳳翔へと渡す案内状を作成してほしい」
「すでに教室でカシワギと大淀をはじめとした面々が準備にとりかかっている。時間が限られている関係上Wordで作るため本格的なものは無理だが、それでも太陽の戦士カシワギならやってくれると信じている」
「素晴らしい。さすがは太陽の戦士だっ」
力強く頷くロドニーさんだが、それまでYの字に伸びていたソラールさんがスッと両手を下げ、首を左右に振る。顔の大きさとバケツ兜の大きさが合ってないのか、首の動きと兜の揺れが、若干合ってないのが少々キモい。
「……ロドニー。これが我々だ。助けを求める者の召喚に応じ、そしてそれを成功に導く……それが! 我々“太陽の戦士”の使命ッ!!」
そこまで言うと、ソラールさんは再びYの字ポーズで、気持ちよさそうに上に伸びた。やばい。ソラールさんが眩しい。今
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