6. あなたの声が聞きたくて(前)
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ても大切なことです」
背筋が伸びた正座で、手に持っている湯呑の中を見つめながら、静かに語る鳳翔さん。その言葉はとても手厳しい指摘だけど、不思議とショックは感じない。
それはきっと、鳳翔さんが、僕に対して誠実に向き合ってくれているからだろうと思う。ショックを受けないように慎重に言葉を選んでくれて……だけど、的確かつシンプルに……鳳翔さんの誠実さ……もっといえば、僕を、僕に合った道に導いてくれているような、そんな言葉だ。
「……それに、私はあなたのいいところを知っています」
「へ?」
鳳翔さんが、顔を上げてふわっと笑う。だけど、その言葉は意味がわからない。ちゃんと話をするようになって、まだ日が浅いのに、僕のいいところを見つけたって、どういうこと?
「膝の上の天龍二世さんと、頭の上の妖精さんです」
「コワイカー」
「二人が……ですか?」
「はい。あなたたち人にとっては、二人とも馴染みのない姿でしょう?」
まぁ確かに。妖精さんはまだかわいらしいけど、天龍二世さんなんかはどう見てもキモいもんなぁ……。
「ずーん……」
「ご、ごめん……」
「でも、あなたは臆することなく友達になってくれました」
「はぁ……」
「それに、気絶したあなたの面を、この二人は必死になって外してました。智久さんは、お二人とそんなに仲良くなってくれたんだなぁって、私は嬉しくなりました」
「へぇ〜……」
反射的に、僕の膝の上の天龍二世さんの頭をなでてあげる。それを『ずるい』と感じたのか、頭の上の妖精さんが、冷たい手で僕の首筋をちょんちょんとつついてきた。
変な声を必死に我慢して、後ろに手を回して妖精さんをつまみあげ、そのまま天龍二世さんの隣に移動させて、一緒に頭をなでてあげる。二人は途端に嬉しそうに『キャー』と声を上げてじゃれつき始めたが、その様子はどうしても、怪人サメ人間に子供が襲われているようにしか見えなかった。
「ほら。あなたはそれだけ優しいんです。その二人がそんなに懐いてるのが証拠です」
「そなの?」
「コワイカー!」
「そっか……ありがとう。仲良くなってくれて」
「コワイカっ」
今、僕の膝の上で、僕に対して満面の笑みで両手を振ってくれている……といっても、二世さんの顔は相変わらずキモいけど、僕の新しい友達に感謝だ。二人の手に、僕は自分の手を合わせる。二人にとって僕の手はちょっと大きいからか、二人は僕の人差し指をギュッと掴んで、僕とカワイイ握手をしてくれた。
「智久さんは、今は音楽をやってらっしゃるんですよね?」
「はい。ロドニーさんから聞いたんですか?」
「はい」
あの人は……僕の情報、すべて筒抜けじゃないかっ。今度大学で会ったら、文句を言ってやろう……なんて、先ほど僕
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