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俺の四畳半が最近安らげない件
交換留学生の体質
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朝十時の四畳半で、俺達は静かに途方に暮れていた。
「ど、しましょっかねーぇ」
覚えたての地球公用語で、フシャラスが呟く。俺は頭を抱えていた。


地球人と他星の知的生命体が交流するようになって随分経つ。俺が小さい頃は衝撃的な出来事だったが、今や他星からの留学生を受け入れることも珍しくなくなっている。
それと同時に、他星の民が持ち込むようになった花や植物も、この星の余白を満たすように増え続けている。この星では『砂漠』と云われる場所でも、余裕で育つ植物も結構あるのだ。
俺達の大学でも、星外の交換留学生を積極的に受け入れていた。
ちなみにフシャラスは交換留学生ではなく、ガチの留学生。うちの大学の生徒だ。たまに俺の部屋に遊びに来る。昨夜も俺の部屋に入り浸って酒盛りしていたわけだが…。
「カプカプカが、いねぇ…」
「あらーほんとー、カプカプカ、からっぽすねー」
カプカプカが入っていた瓶を振り、フシャラスがコロコロコロ…と喉を鳴らす。フシャラスの星では笑い声らしいのだ。
「笑いごとじゃねぇぞ…!」


交換留学生のカプカプカは、流動体の知的生命体なのだ。


カプカプカの星は気温が低く、普段は固体で生活している。時折、猛暑の頃になると文字通り『溶ける』らしいのだが、それで生命活動が妨げられるほどでもないので可動する瓶に入って過ごす。…気体になることも出来るが、さすがに気体はいろいろやばいので、間違っても気体にならないように、細心の注意を払って生活している。
要は、奴らは水なのである。
なので、気温の高い地球で生活する際には可動式のアームが4本ついた強化ガラスの瓶に入っている。その瓶が開けられることは基本的にはない。ないのだが。


朝起きたら、瓶が開いていたのだ。


今朝は寒かったから底の方で固体になってないか、と一縷の望みをかけて覗いてみたが、瓶は見事に空っぽ。起床早々、俺は青ざめることになった。
「えっらいことだぞこれは…星間問題になるかもしれん…!!」
何処かに中身が零れてないか、必死に這い回って探す。水とはいえ一応生命体なので、言うなればスライム的なまとまりかたをしている筈なのだ。だがそれらしい塊は全く見当たらない。フシャラスはまだ眠いらしく、俺が使っていた布団に潜りこんで寝ようとしている。
「おい、何呑気に寝てるんだよ!お前も連帯責任になるぞ!?」
「なにそれ、連帯責任になると死ぬの」
「死なないけど!」
「じゃいいやー。神の御意志のままにねー」
『神の御意志』。フシャラスがこれを云いだすともう何を云っても駄目なのだ。彼らはとても知能指数が高い種族なのだが、そのせいなのだろうか、問題が起こると周囲に…というか神に丸投げする特殊な宗教観を持っている。食い物も生態も俺達にかなり近いのだが、この種族
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