5. あなたのもとに駆けつけたくて(後)
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をはずれ、鳳翔さんを捉えてしまったその隙を、ロドニーさんが見逃すはずがなかった。
「隙ありぃぃぃぃいいいいええええあああああああ!!!」
ロドニーさんが咆哮を上げ、両手で竹刀を振り上げて突進し、僕に渾身の一撃を打ち下ろした。
会場に、スパーンという心地良い竹刀の音が鳴り響く。
「……」
「……貴公、良き敵だった」
しばらくの沈黙のあと、僕の耳に、自分の両目がひっくり返る『グリュンっ』という音が届いた。ソラールさんの『貴公……』という心底残念そうなつぶやきが聞こえた直後、僕の意識が、ブラックアウトした。
……
…………
………………
うわ恥ずかし! よりにもよって、鳳翔さんの姿に気がそれて、それでロドニーさんに負けるなんてッ!? 顔から火が出るッ!? 無理っ! もう無理っ!!
「そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ」
「いや恥ずかしいですよ……せっかく鳳翔さんのお力になれると思ったのに……いつつ」
「ほら。これでたんこぶ冷やして下さい」
鳳翔さんが、いつの間にか準備してくれた氷嚢を包んだ手ぬぐいで、僕のたんこぶを冷やしてくれている。それはとてもうれしいけれど、さっきみたいに直接触れてくれる方が……いや、痛いか。
ちなみに、気がついた僕がなぜ面も面手ぬぐいもつけてなかったのかと言うと……僕が気を失っている間に、天龍二世さんと妖精さんが必死にがんばって外してくれたらしい。
「お二人もありがとうございます」
「コワイカー!」
それにしても、ロドニーさんの気迫をちゃんと受け止められた時は、『おっ行けるか?』て思ったんだけどなぁ……。うーん……悔しくはないけれど、なんだかもやもやとしてしまう。
そんなことを思っていたら……鳳翔さんはそんな僕の思考を読んでいたようで、なんだかとてもありがたいような……でも男の僕にはショックなような、そんな何とも言えないことを話しだした。僕の背後で、冷たい手ぬぐいで僕の頭を冷やしながら話す彼女の声は、僕の耳に、とても心地よい。
「智久さんはー……元々、争いや武道には向いてないのかもしれませんね」
「うう……そうですか?」
「はい。その分、智久さんは優しいということです」
「どうしてですか?」
「だって……」
「……?」
鳳翔さんが黙りこむ。鳳翔さんは僕の背後にいるから、彼女がどんな顔をしているのか分からない。なんだろう……なにか言うのをためらってしまうようなことでも考えていたのか……?
しばらくの沈黙のあと、突如僕の首筋に、氷点下の衝撃が走った。
「……えいっ」
「ひやぁあんッ!?」
鳳翔さんが、冷たくなった自分の手で、僕のうなじをちょんとつっついたようだ。おかげで僕は変な悲鳴を上げて
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