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転生とらぶる
ペルソナ3
1910話
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れを知った上でも、勝つのは絶対に俺となる。
 ましてや、死神はその辺のシャドウとは違ってかなりの頭の良さを誇る。
 つまり、死神が俺に勝とうと思えば、ゆかりや荒垣を戦いに巻き込む事が必須となる。
 ……いや、勿論他にも死神が俺に勝つ方法というのはあるかもしれないが、ゆかり達を戦場に引っ張り出すのが一番簡単で効果が高いのは間違いのない事実なのだ。
 なのにそれをやらない。
 それどころか、ゆかり達が俺から離れるのを待っているかのように、まだ姿を現す事はなかった。
 何故だ?
 そんな疑問が俺の中に生まれる。
 どこからどう考えても、死神がこの絶好の機会を見逃すのはおかしい。
 一瞬、もしかして俺じゃなくてゆかり達の方に攻撃をしようと考えたのか? という疑問も抱くが、すぐにそれを却下する。
 何故なら、念動力は相変わらず危険を知らせている為だ。

「何を考えている? ……出てこい!」

 相手の思惑が分からず、そう叫ぶ。
 すると次の瞬間、まるでその言葉を待っていたかのように空間が歪み、そこから死神が姿を現す。
 いつものように、銃身が異様に長い拳銃を両手に持つその姿は、武器の異様さもあって、相手に圧迫感を与える。
 もっとも、この場合の相手というのは俺であり、今まで幾度となくこの死神と相対してきたのだ。
 今更死神の姿を見ただけで、どうにかなる筈もないのだが。
 それでも改めて死神の姿を見れば、やはりどう考えても普通のシャドウと違う事は明らかだ。
 それは知性もそうだが、元々その身に宿している雰囲気そのものが大きく違う。
 そして当然だが、前回の怪我は既に完全に回復しているらしい。
 ……まぁ、腕を切断する怪我をしても、次に姿を現した時は全く問題ない風だったのを思えば、それも不思議ではないのだろうが。

「……さて、今日はいつもと違うようだが……どんな趣向がお望みだ?」

 そう告げる俺に、死神は黙って右手の拳銃の銃口をこちらに向けるのだった。
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