ペルソナ3
1910話
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いのは、その形を見れば明らかだった。
何しろ、大まかには人の形をしているものの、顔があったりする訳ではない。
のっぺらぼう、と。そう表現するのが相応しい人形なのだから。
勿論レア宝箱の中にあったのを考えると、何の意味もない人形って事はないんだろうが……それでも、この人形がどんな意味を持つのかというのは全く理解出来ない。
魔力を感じるって事は、多分何らかのマジックアイテムで間違いはないのだろうが。
「どうだった?」
そう尋ねてくるゆかりに、人形を見せる。
すると、ゆかりが少しだけ驚きの表情を浮かべ……やがて溜息を吐く。
最初は人形だと見て、どんな可愛い……愛らしい人形なのかと思ったのだろうが、実際にはのっぺらぼうの人形だ。
手とかも、指がある訳ではなくただ腕のような感じの物がついている、といった感じでしかない。
それこそ、手芸とかを初めてやった奴が、何となく作ってみました……といった感じの人形だ。
「けど、レア宝箱に入ってたって事は、何らかの理由があるのは間違いないだろ?」
荒垣の方は、人形を見ても特に表情を変えるような事はなく、そう尋ねてくる。
まぁ、その強面から人形に詳しいとか、そんな事はまずないだろうし。
それが普通なのだろう。
「そうだな。魔力があるから、間違いなく何らかのマジックアイテムなのは確かだ。ただ、問題は……」
「それがどんな効果を持つマジックアイテムなのかが、全く分からないって事か」
荒垣の言葉に、頷きを返す。
これも、桐条グループの方で調べて貰う必要があるだろうな。
けど、この階に来て初めて出てきたマジックアイテムって事は、相応の性能を持っていてもいい筈だが。
あ、でも宝箱の中身はランダムなんだし、実は結構前の階にあったのを、俺達が見つけられなかっただけって可能性もあるか?
そんな風に考え……
「っ!? 気をつけろ!」
瞬間、念動力による危険の察知が反応し、反射的に叫ぶ。
このタルタロスで念動力が危険を察知するのは、これまでにも何度かあった。
そして、全てが同じ相手からのものだった。つまり……
「死神だ!」
そう、今まで幾度となく戦ってきた、死神。
それでいて決着がついていない、そんな相手。
純粋な実力では、間違いなく俺が勝っているという自信はある。
だが、死神はこっちにとって未知の攻撃手段を使ってくる事もあり、それに対処している隙に逃げ出すのだ。
ましてや、現在はゆかりと荒垣の2人がいる。
それなりに実力は上がってきたが、それでもやはり俺から見れば実力不足でしかない。
少なくても、死神とやり合えるかと言われれば……俺は即座に首を横に振るだろう。
「逃げろ! ここは俺に任せて
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