ペルソナ3
1909話
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づきになろうとしていた桐条を、俺が横から掻っ攫っていった風に見えるのだろう。
どこか恨みがましい視線を俺に向けてくる。
「いや、別にそんなつもりはないんだけどな。……それに、桐条が食事を用意してくれるってのも、別に桐条の手料理って訳じゃないと思うぞ?」
こう言ってはなんだが、釜玉うどんを作っていた時の事を思えば、桐条はそこまで料理が得意なようには見えない。
いや、得意不得意以前に、自分で料理をやったことは殆どないように思える……というのが正直なところか。
そんな桐条が俺に食事を用意すると言っても、それは恐らく誰か他の奴に作らせた食事といったところだろう。
それこそ桐条グループであれば、健康に気を遣った、それでいて美味い料理を作れる料理人の1人や2人がいてもおかしくはない。
だが、そう言っても友近は納得しない。
いや、まさか桐条がそんな事を言うなんて思ってもみなかったんだろうし、それはそこまで不思議じゃないんだが。
「あー、この釜玉うどん美味いなぁ……」
そんな中、宮本は我関せずと釜玉うどんに舌鼓を打っている。
そうか、そこまで喜んで貰えたようで何よりだ。
ただ、出来ればお前の友人をどうにかして欲しいというのが、正直な気持ちなんだがな。
その辺り、どうなんだ?
「ちょっと、桐条先輩。だから、人前でそういう誤解されるような行動をするのはですね」
「うん? 誤解? 何かおかしいところがあったか?」
「あー、もう、本当に分かってない。ちょっとアクセル! あんたどうするつもりなのよ!」
桐条と話していたゆかりの視線が、改めてこちらに向けられる。
何か、下手な事を口にした場合、イオが召喚されそうな、そんな雰囲気だ。
「そう言われてもな。俺は別に、特にこれといった事は……」
正確には、食事を用意してくれるというのであれば非常に助かる。
桐条が用意してくれる食事なのだから、基本的に不味いという事はない筈だ。
そういう意味で、食い道楽とでも呼べる俺にとっては問題ない行為なのは間違いなかった。
だが、ゆかりはそんな俺に対して呆れの視線のみを向けてくる。
「あのね、アクセルも知ってるでしょ。桐条先輩は有名人なのよ。そんな人に食事を用意させるなんて真似をしたら、あんた下手したら近いうちにファンクラブの人に狙われかねないわよ」
そう言われると……そうなのか?
もっとも、だからといってそんな相手に狙われてもどうこうするなんて事はないから、問題はないと思うんだが。
「アクセルを襲撃しようものなら、それこそファンクラブの人達が入院して、騒ぎになるでしょ」
「アクセルの事じゃなくて、襲撃した方の心配をしてるのかよ!」
思わずといた様子で順平の突っ込
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