第七章 C.D.の計略
マンティスハイパーフォーム
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ッ」
口の中の血を吐き出し、しかしいまだに吊り上がった口角を収めない冠木。
そして、天道の身体を抱えたまま踵を返した。
「勝てるだけの勝算はある。だが、俺にもおまえにも、それは大いにリスクを抱える勝負だ」
「人間なら勝てんじゃねぇのかよ」
「その通り。だがな、貴様のような人間がそのシステムを持っている以上、万全を期す。ああ認めよう、ガタックの装着―――いや、資格者よ。お前は俺の敵だ」
無論、こいつもな。
そういって、抱える天道の身体を抱えなおす。
「だがしかし、いかなるものにも敵という存在はついて回る。何か事を成そうとすれば、それに反対するものが必ずいるのだ」
「当たり前だ。お前のは特にだろ」
「そうだ。だからこそ、俺は安堵している」
「なに・・・・・?」
今のこいつに戦う意思はない。
そう思った加賀美は、変身を解いて聞く。
「敵が誰かわからないというのは、なかなか厳しいものだ。それも、他の種族ならば力があるために迎撃も難しいだろう。だが、今はっきりとした。お前だ。お前が敵だ。人間でガタックの装着者」
「・・・・・・」
「はっきりとすれば、恐れることはない。人間というのも僥倖だ」
そういって、男は背後の炎の中へと消えていく。
追っていこうとする加賀美だが、幡鎌がやはり止める。今は無理だ、と。
『時と場所は後で伝える!!その時に、そこの男を連れてこい!!この人間とは、その時に交換してやる!!』
そう声だけが残って、周囲から張りつめた空気が消えた。
ダンッッ!!とアスファルトを踏みつける加賀美。
遠くから、サイレンの音が聞こえてきた。
マンションを回り込んで、裏手の駐車場へと走ってくる。
そのサイレンは、遠くに行ったり近づいたりを繰り返し、加賀美の脳内に気味悪く鳴り続いていた。
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「グッ・・・・まさかこれほどとはな」
マスクドライダーシステム。
流石だ。人類に、ワームと互角以上に戦う力を与えるだけあって、凄まじい力だった。
そして、この人間。
おそらくは人類の中でも、かなり上位に入る部位の人間だろう。
だが、逆にいえばこれ以上の者はいないということだ。
(余裕で勝てるという程弱くはないと思っていたが、よもやここまで人間如きの力を引き上げるとはな)
だが、自分は勝った。
「今のこの状態」でも勝ったのだ。
ならば、求める「あれ」を入手さえすれば―――――
(より強化されたマンティスに、勝てる者はいない――
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