第七章 C.D.の計略
マンティスハイパーフォーム
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速度の前には、その逃避行もそれが実行される前に阻止される。
「持っていくなよ」
ブォッ、と目の前にマンティスが現れる。
当の本人からすれば単純に前に飛び出しただけなのだが、ハイパークロックアップの速度の前には、クロックアップは無きに等しい。
なにせクロックアップの世界で通常の世界が止まってみるように、ハイパークロックアップの世界ではクロックアップの世界も止まって見えるのだから。
ガタックが、単純な拳の振りおろしに叩き付けられる。
メキメキと地面に頭部が陥没し、さらにマスクを砕いて頭部がひしゃげた。
頭蓋骨が割れ、目と耳から血を吹きだした加賀美の頭部が、もはや光を通さぬ目玉を連れて潰れたスイカと変わらぬ姿となる。
そして幡鎌の首を掴み、爆発するガタックを背後にそれを持ち上げたところで
「―――――ッは!!!」
ガタックは呼吸を取り戻した。
そして先ほどの光景を思い出して身震いし、同時に何が起きたのかを理解する。
自分の前に現れたマンティス。そして振り下ろされた拳。
だが、それを空中に突如として現れたカブトハイパーフォームが、ライダーキックをぶち当てたのだ。
襲い掛かろうとしていたマンティス。
その真横に、急に現れたカブトからのハイパーキック。
ガタックの目の前から、左に向かってマンティスの身体が不自然に折れ曲がって吹き飛んでいった。
時間遡行。
ハイパーフォームの速度が、ついに時間を置き去りにすることで起こる、特殊能力だ。
ガタックは一度、確かにマンティスに殺された。
だがそれを、カブトが前の時間の地点で阻止したために起こった逆転現象だった。
しかし、それを頭の中でガタックが理解するよりも早く、マンティスと共にカブトも吹っ飛んでいった。
ハイパーキックで吹っ飛んだにマンティスは、地面に激突し、爆発にも似た土煙を起こしていた。
というか、実際に爆発した。ただ、それはマンティスのシステムのものではなく、ハイパーキックで送り込んだタオキン粒子のエネルギーによるもの。
それに耐えたマンティスは、しゃがみ込んで足に力を蓄えた。
そして、突進。
ダン、ダン、ダンッ!!と跳ねるように突っ込んだマンティスは、カブトの胴体にしがみつきそのまま止まっていた乗用車三台を巻き込んで押しつぶした。
ゆっくりと、スローモーションで爆発していく乗用車。
その中で、ガタックはかろうじて高速で戦闘をする二人の影をとらえた。
そして、閃光。
あの軌道は、カブトによるものではない。
何が起きたのかを理解するには、十分だった。
マンティスの必殺技が、カブトに叩き込まれたのだ。
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