第七章 C.D.の計略
男はネイティブ
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はクローゼット。
さらに進むと、右にキッチンへの入り口。リビングとつながったオープンキッチンだ。
その先にリビング。ちゃぶ台、テレビとこまごまとした置物。
左は大きな襖になっており、まだ部屋があるらしい。
世間一般の構成をした、決して広いとは言えない一室だ。
この部屋がそうなのか、マンション全部がそうなのかはわからない。
訝しみながらも、ちゃぶ台の前に腰を下ろす天道と加賀美。
座ろうとすると少し骨が軋むが、あれから6時間以上たっているのだからいけるだろ、と自分に言い聞かせ加賀美は堪えた。
「さて、君たちは何の話をしに来たのかな。天道総司、加賀美新」
「・・・・すべて御存知というわけか」
「まあな。さて、ではここで一つ、クイズを出そうか」
カチャン、と湯呑に茶を注いで、彼らの前に並べて自分も座る男、幡鎌。
ニッコリと笑うその顔に、敵意はない。
敵意はなかったが――――
「さて―――――私は何者でしょうか」
「・・・・なに?」
「正確にはだ・・・・私は、人間でしょうか、ネイティブでしょうか?」
「こいつ・・・!!!」
身構える加賀美。
だが、それとは対照的に天道は座ったままだ。それも、正座で。
「驚かないんだね」
「今更ワームだネイティブだ人間だ何だと、騒いだところで意味のない世の中だろう」
「まあね。時に、なんで私がZECTの方だと思った?ルポライターだよ?それくらいは知ってるとか思わなかった?」
「お前は「マスクドライダーシステム」と言った。「EARTH」関連ならばオレ達のことを仮面ライダーというだろう。オレ達のシステムをそんな呼び方をするのは、ZECTの人間くらいだ」
「・・・まいったね。んじゃあ問題その二」
先ほどまで扉の向こうにいたのは本当にこいつか?と疑いたくなるほどに柔和な笑みで語り掛けてくる幡鎌。
これでは大人し目の、少しノリのいい、おじさんになりかけの青年ではないか。
そんな加賀美の疑問と冷や汗。
だが、それも次の質問ですべて吹き飛んだ。
「私は何ワームでしょうか?」
そういって、男が先ほどとは違う意味の笑みを浮かべた。
目を細め、薄ら笑う。
ヒントと称して、男は指を立てて語りだす。
一、鎌を持ちます
二、緑です
三、肉食昆虫でもかなり強いです
そこまで言われて、二人が立つ。
だが、とっさに出した手にゼクターは来ず、目の前の男は座ったままで口角を緩めた。
「そうだ。私はネイティブ・・・・・・マンティスワームだよ」
to be continued
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