第七章 C.D.の計略
男はネイティブ
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を手渡しながら。
コツコツとそのまま歩いていくと、彼の姿は闇夜に消えてしまった。
「コマチグモ・・・・産まれてすぐ、母蜘蛛を喰らう・・・・」
いつもなら解説を挟む陸だが、相手が天道ならばその必要はなしとしたのだろう。
事実、天道はその言葉の意味を正しく理解し、しかしその真意までは読み取れずに紙切れを見る。
書かれていたのは住所だ。
住所だけ。名前も、建物名すらも何もありはしない。横には、506という数字があった。番地ではなさそうだ。
「・・・・・」
それを眺めて、取り出したライターでそれを燃やしてからヘルメットを手にする天道。
駐輪場からカブトエクステンダーを押して正面に来ると、溜息をついて呆れたようにつぶやいた。
「おばあちゃんは言っていた。自分の調子が怪しいと思うから怪我人だ。それもわからないのはバカ者だ、ってな」
「ああ。俺はそんな馬鹿でもいい」
「だろうな」
ふっ、と笑う天道の後ろに、幽霊でも現れたかと思うほどユラリとあらわれたのは、包帯を身体に巻いた加賀美だった。
暗におとなしくしてろよ、と呆れる天道だが、それ以上のことは言わずに「腕は?」とだけ聞く。
「こいつがあるからな。痛みはあるけど、動かせる」
そういってコツンとたたいたのは、腰に巻いたライダーベルト。
確かに、多少なりとも装着者の身体能力を上げるモノではあるが、少しばかし荒療治すぎやしないだろうか?
「この程度で倒れてちゃぁ、戦いの神の名が廃るってもんだ」
「戦いの神(笑)」
「こらお前今何かつけたろ」
「ウンメイノー」
「なんだそれ?ヤメロ!!」
呆れさせられた分は加賀美をいじり、無人走行でやってきたガタックエクステンダーに跨る加賀美。
天道の後について、痛む腕に顔をしかめながら走り出した。
「無茶をするやつだな」
「いざとなったら変身して飛ぶから」
それはそれでどうなのだろうか。
ともあれ、二人はその場所に向かう。
夜明けまでは、まだ長い。
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翌朝。
時刻にして、午前6:30
ジョギングを始める人々や、早く出勤するお父さんたちは、すでに活動を始めている頃。
もう五月中旬だというのに、今日は吐く息が白いほどに寒い。
昼頃になれば、また気温は上がるそうだが。
こうも急にコロコロと天気や気温が変わるのは、勘弁してもらいたいものだ。
「どうだ、加賀美」
「あっ、天道。お前俺に見張り押し付けて何やってたんだよ」
加賀美がフェンスに身を預
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