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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
男はネイティブ
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され、日下部総一は妻のさとみとともにネイティブに殺害、擬態されて天道は日下部家から天道家へと養子に出たわけだ。



ともあれ、その二人が仕込んだ策というのが、システムの中で最強を誇るカブトとガタックの資格者に自らの息子を指定したこと。
そして、この二人のライダーに仕組んだ「赤い靴」と呼ばれるシステムだ。


赤い靴。
ネイティブの一部の者達の、地球支配という思惑に感づいた、陸や総一が組み込んだ一手。

システムが変身者の意思に関係なく自動的に行動し、ネイティブを撃破するというものだ。

故に、赤い靴。
それを履いてしまった者は、その意思に関係なく延々と踊り続けることになる。


今となってはカブトもガタックも抑えられているこのシステムだが、一時期はこのシステムのせいで見境なくワーム種族を襲うこともあった。
ホッパータイプは、その「赤い靴計画」とはまた別の対ネイティブ兵器ということで製造されたものだ。

とはいえ矢車や影山を見るに、そのような思惑は知ったことではなかったのだろうが。




「ともあれ、こいつは未知の部分が多すぎる」

「総監(加賀美の父)にもこの話はしたが、覚えはないと返されてしまった」

「そうか・・・・「EARTH」には?」

「連絡はした。だが、あちらからの返答はまだない」

「副局長が、つい今朝方トゥスクル地方へと出ていったという報告はありますが」

「・・・・・・」


病院の、自販機コーナーを携えた待合ホール。
そこで天道、田所、そしてタブレットを持った岬の三人の会話が、蛍光灯の点滅する音だけをBGMに続いていた。



〜〜〜〜〜


「敵はガタックを狙って現れたものと思わえる。お前も気を付けろよ」

「問題ない。俺は」

「天の道を行き、総てを司る、でしょ?」

「その通りだ」


もう時間は深夜の1時を回った。
如何にZECT所属員、若しくは「EARTH」メンバーであっても、これ以上は病院側に迷惑というもの。

バンに乗って、これから我々も警戒と調査を始めると言って、田所と岬は病院を出ていく。
その後を眺め、夜風に吹かれる天道。


すると、どこへともなく口を開いた。


「それで、俺に何の話だ?」

「―――――さすがだね。天道君」


気づけば、スーツ姿の男性が天道の隣に躍り出てきていた。

歳にして50代後半。
警視総監という顔も持つ、加賀美の父、陸だ。


腰の後ろに手を回し、病院から出てきて天道の隣にやってきた彼は、そのまま足を進めて通り過ぎる。


「コマチグモ、という蜘蛛を、君は知っているかね?・・・・ま、彼は蟷螂だが」

そんな一言と、小さな紙切れ
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