第七章 C.D.の計略
緑のライダー
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あ気を付けてねとだけ言って電話を切る。
そっけない気もするが、彼女なりに労っているのだろう。
そして、携帯を閉じ
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「加賀美か?」
「うん。現場がややこしいとかだってさ」
店の中で、すでに食事を始めてしまっていた天道が、席をはずしたひよりに声をかける。
「これ以上置いておくと、質が落ちる。せっかくのひよりの料理、そしてひより自身に失礼だろう」と言って、食べ始めていたのだ。
「加賀美ったらさ。電話じゃ見えないのにこうやって手合わせて謝ったんだよ」
「・・・わかったのか?」
「パンっ、て音がしたから」
「あ〜、わかる。なんで電話越しでサラリーマンの人とか「ごめんなさい」って言いながらペコペコするんだろうね」
「たとえ相手に伝わらずとも、その誠意を見せるところが日本人の奥ゆかしさというものだ」
「でも、ボクは加賀美に奥ゆかしさは合わないと思う」
「相手のことを考えるのは加賀美さんらしいけどね〜」
「あ、それはわかる」
気づけば、樹花とひよりが楽しそうに話し始めている。
その光景をほほえましく眺める天道だが、ふと気づいて言葉を漏らした。
「・・・・加賀美のことでやたら盛り上がるんだな」
「え〜?だって加賀美さんいい人だし。面白いし」
「うん。ボクも加賀美のことは嫌いじゃないし」
「そうか」
「どうしたの?声がほんの少し上がったよ?」
「も、問題ない」
「ナイフとフォークが震えているぞ?大丈夫なのか?」
「ふふッ、ふ・・・加賀美のことが・・・好き、なのかな?」
「う〜ん、いいんじゃない?」
「ぼ、ボクは嫌いじゃないというか」
「加賀美メ」
「うわぁお兄ちゃんなんでナイフとフォーク構えて出ていこうとするの!?」
「食器を武器みたいにするな。あと、いつの間にそんな黒い服に着替えた」
「あくまで、しつj」
「それはダメだよ!?」
「クソッ。ならば加賀美のこれまでのイタい言動をまとめた小説一本掻き揚げて小説大賞を」
「いや、やめておいて。というか何それボクも聞きたい」
天道総司
世の中の大半のことはパーフェクトにこなす男だが、予想外の出来事に取り乱すこともある。
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そして、そんな会話が和やかに流れている間に
《clock over》
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