第七章 C.D.の計略
緑のライダー
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バチバチと爆ぜる機器。
天井から揺れるコード。
何かが入っていたのか、割れて中の溶液のこぼれ出ているガラス管。
コンクリートが剥げ、中の鉄骨が見えてしまっている柱。
それと、崩れた壁に煤けた床など。
間違いなく戦闘の跡だ。それも、被害者はおそらくワームの誰か。
この際、ネイティブかワームかという判断はいいだろう。どちらも同じ種族だ。
それらがこの場で、少なくとも3体は葬られた。
地面が煤けているのは、ワームが死亡した際に発する緑色の炎の為。
反応が出たのが三か所というだけで、吹き飛ばされてやられたなら被害者はそれ以上。
現場を見るのは、ZECTの特殊鑑識班。
その周囲や建物内を、ゼクトルーパーが警備、周回している。
そしてその中に、ガタックベルトを装備した加賀美もいた。
とはいえ、この戦闘跡は加賀美によるものではない。
匿名の通報を受け、現場に駆けつけてきたときにはすでにこのありさまだったのだ。
(はぁ・・・・こりゃ今日の食事会には行けないかな)
そう溜息をつく加賀美だが、この現場での携帯の使用は禁止されている。
一度出て連絡するか、それともいっそ変身して天道のカブトゼクターにメッセージを飛ばすか。
そんなことを考えながら周囲を見回して時計を見ると、時間は集合時間からすでに10分遅れていた。
やっべ!と声を思わずあげると、周囲からの視線にさらされてしまう。
すんません・・・とおずおずと頭を下げ、しかし加賀美という人間を知っているZECTの人間からは「まあ加賀美さんだし」と思われてすぐに仕事に戻ってしまった。
(慕われてる・・・ってことでいいのかなぁ?)
そんなことを考えながら、外に向かって小走りで進む。
出入り口のゼクトルーパーの敬礼を軽く返し、上司の田所と岬のいる小型バンへと入っていく。
「すんません。携帯使っていいすか」
「どうした?」
「いや、ひよりの」
「あー、そうだったわね。してあげなさい」
短い会話でやり取り。
これができるのも、長らくチームを組んできた田所班メンバーだからこそだ。
バンから出て、携帯をいじって電話を掛ける。
少し長めの呼び出し音の後に、ひよりの元気―――とまではいかないが、いつも通りの声がしてきた。
『はい。日下部です』
「あー、ひよりか?オレオレ。加賀美だけど」
『・・・・来れないのか?』
「わるいっ!こっちの現場がややこしい感じで」
パンっ!と器用に肩で携帯を挟み、両手を合わせて謝罪する加賀美。
対して、いいよいいよと苦笑しながらも許してくれるひよりは、じゃ
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