第三十三話 野獣征伐その六
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合わせて五匹の大蛇達が出て来た。そうして六対六の戦いがはじまった。
久志は最初に出て来た大蛇と対峙したままだった、大蛇は鎌首をもたげてそのうえで久志を見下ろしている。
その大蛇にだ、久志は首が襲い掛かって来たその瞬間にだった。
両手に持っているレーヴァティンを一閃させた、そうして炎の刃で蛇を横に両断した。すると二つに分かれた蛇の身体は切断された場所から燃えていった。
だが久志はその骸を一瞥もせずにだった、次の敵に向かった。順一のところに向かおうとしたがここでだった。
順一は氷の刃を無数に放って己の敵を倒した、そのうえで自分の助っ人に来た久志に微笑んで返した。
「この通りです」
「あっさりとだったな」
「はい、倒しました」
こう答えたのだった。
「蛇は爬虫類ですから」
「寒さに弱いか」
「それもありますし」
「刃か」
「それを刺さる様に使いました」
見ればその無数の刃が蛇の身体に突き刺さっている、矢の様に。
「そうしました」
「蛇の鱗も鎧みたいだからな」
「それでそうした風に使いまして」
「それでか」
「はい、倒しました」
「考えたな、相手が爬虫類だとか」
「冷気、そして」
「突き刺す感じか」
「切るよりもです」
「突き刺すだな」
「もっと言えば叩く、打撃ならです」
斬撃ではなく衝撃で攻めればというのだ。
「鱗にはいいです」
「そうしたことを考えて戦うのも戦術か」
「そうです、戦術でもです」
「相手の弱点を考えていって攻める」
「今も然りです」
「そうそう、こうしてね」
見れば源三もだった。錬金術で調合した薬を撒くとだ、怪しい煙が蛇を包み蛇は次第に動きを鈍くさせ。
目を開いたままその巨体を落とした、そうして動かなくなったが源三はその蛇を見つつ久志に話した。
「眠り薬を撒いてもいいし」
「蛇はそういうのに弱いのか?」
「蛇の体質がわかっているから」
「それに合う薬を調合してか」
「眠らせたんだ」
そうしたというのだ。
「そうしてね」
「これからか」
「そう、攻めて」
そしてというのだ。
「やっつけるよ」
「もうそうなったら楽だな」
「おいらだけでも倒せるよ」
こう言ってナイフを出す、見ればごく普通のナイフである。ただし刀身は広くかなり大きめではある。
「これで首を掻き切ってね」
「終わりか」
「眉間に刺してもいいしね」
こう久志に話してだ、源三は自分が眠らせた蛇の頭の方に歩み寄ってそうしてだった。そのナイフで。
蛇の眉間を貫いた、するとそれまで呼吸で動いていた蛇の腹の動きが止まった。源三はその状況を見て微笑んで言った。
「どんな生きものもここは弱点だからね」
「額はそうだよな」
「貫けば終わりだよ」
「蛇もそれは同
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