第三十三話 野獣征伐その五
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「俺をな」
「そう言うのかよ」
「ああ、とにかく弓なら自信があるからな」
「空の敵もか」
「倒してやるぜ」
「拙者もでござる」
進太も言ってきた。
「実は弓矢は使えないでござるが」
「騎士は弓矢使わないからな」
「飛び道具を好まないでござる」
このことは彼等本来の世界でもこの世界でも同じことだ、そうした武器を卑怯を卑しむ傾向があるのだ。
「だからでござる」
「術を使ってか」
「戦っているでござる」
こう話すのだった。
「空からの敵には」
「そうか、じゃあな」
「麓の村に各人の馬と驢馬を預け」
「そうしてな」
「山に入るでござる」
こう話してだ、一行はその麓の村に入ってそこに各人の馬に驢馬そして余計な荷物を預けてだった。
山に入った、そこでだった。
早速巨大な十メートルはある大蛇が一匹出て来た、順一はその大蛇を見てすぐに仲間達に話をした。
「この蛇は毒があります」
「ただの大蛇じゃないんだね」
「はい、ジャイアントバイパーです」
巨大な蝮だというのだ、見れば模様も頭の形も蝮のものだ。目つきが他の蛇に比べて剣呑なものだ。
「毒がある大蛇です」
「かまれたらそれこそ」
どうなるかとだ、源三も言う。
「一大事だね」
「はい、間違いなく」
「毒も強いよね」
「通常の蝮と変わりませんが」
「量が違うね」
「大きさが違うので」
その分というのだ。
「相当な強さです」
「やっぱりそうだね」
「ですから」
「噛まれない様に用心しながら」
「倒していきましょう」
「それじゃあね」
源三は順一の言葉に頷いた、そしてだった。
一同は有毒の大蛇を囲もうとした、しかしその時だった。淳二が周りの気配を察して仲間達に行った。
「気付いてるかな」
「ああ、こいつだけじゃないな」
久志は大蛇と正対しつつ彼に応えた。
「ここにいるのは」
「周りにもいるよ」
「じゃあこいつは囮か」
「そうだね」
「周りにいるのは」
「五匹いるな」
「目の前の奴以外もね」
「わかった、じゃあな」
合わせて六匹。その数を把握してだった。久志は仲間達にあらためて言った。
「一人あたり一匹だ」
「それで戦っていくね」
「一人が一匹を倒したらな」
久志はそれからのことも話した。
「後はな」
「残りの蛇も倒していく」
「六人で六匹を倒すんだよ」
一人一匹でなく、というのだ。
「それでいくぜ」
「それじゃあね」
淳二も他の面々も頷いてそうしてだった、それぞれの気配がした方に向かった。するとそこにだった。
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