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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第四十五話 帰還への道
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タイル星系第7惑星の矯正区   ヴィットリオ・エマニエール 

 なんとか生き残った、あの日以来何時寝首をかかれるか判らない日々だった、
彼方此方で帰る為に他人を落とし入れる事が日常的に行われてきた、
隣の奴も信用できない、信用できるのは自分だけだった。

其れも今終わる、矯正区から宇宙港へ1時間の旅らしい。
3日前に帰還者リストが発表された後、
帰れる奴帰れない奴の間で凄まじい睨み合いが続き一触即発の状態であった、
その夜からおぞましき事件が多数発生した。
思い出すのも震えが出る、あの日からの事は二度と口に出さない思い出したくない。

リストには死んだ人間の名前も入っていた、そうだろう俺達が死んだと届けなかったのだから、
その話が伝わると、集めておいた死者の認識票を持って成りすます者達も続出した。
そして多くの者が自分の名前を棄て死者の名前を名乗っていった、
此処に居るぐらいなら、死人を使っても良心は痛まないのだろう、
俺もその立場なら同じ事をするだろうから。


宇宙暦788年 帝国暦479年3月10日

■タナトス星系惑星エコニア捕虜収容所    クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー

 結局は此処を追い出される、所長のコステアが俺を帰還者リストに無理矢理載せたのだから、
儂としては此処で骨を埋める気満々だったが、そうも如何のが人生か面白いわ帝国に帰りたくはないが、
皇帝陛下の企みを知るのも余生の楽しみやもしれん、調べてみるかの。

蔵書も全部持って行けと言われたが、この量は大変じゃ若い者が手伝ってくれるから助かるの。

プレスブルグは相変わらず元気な奴じゃ、皇帝陛下万歳ともう30分も叫んでおる、
五月蠅くて仕方がないの。
さて帰国の時間かどの様な事が待っているのか、楽しみじゃ。


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