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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第四十五話 帰還への道
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デンバウム

緊急の事だった為、ケスラーのみが来られた為ケスラーに連絡です。

「俘虜交換時のことですけど、
帰還する臣民の健康状態を確認し病気等が有った場合直ぐに治療できるように、
出来る限り多数の病院船を随伴させましょう、
あらゆる病気心臓病などの専門医も乗せて下さい」

主にケーフェンヒラー爺様の心臓疾患に対する為だけど。

「了解しました、此も陛下のお慈悲の為ですか?」
「ええ其れもありますが、帰還臣民の健康診断も行います、
形態上健康診断でお父様が臣民の為に行うように見えますが、
実際は健康診断にかこつけ全員の身体的特徴と全身のCTスキャン、網膜パターン、血液、DNA、整形などを記録します」

「諜報員をあぶり出す為ですか」
「ケスラーその通りです、さらに帰還兵の血縁のある親族DNAを検査しその帰還兵DNAと照合します、そうすれば一気にあぶり出せますよ、
いくら整形や網膜パターンを模倣してもDNAは変える事は出来ませんからね」

「DNA検査ですか、此方では余り行われない方式です」

劣悪遺伝子排除法の影響か此は困った。
フェザーンからDNA検査キットを輸入できないかな?
独立商人なら儲け話に乗ってくるはず。

「それでは、緊急にフェザーンから検査キットを輸入できませんか?」
「自治政府がどうでますか」
「其処で独立商人をつかい密輸させます、ある程度の金額を出せば喜んで持ってきてくれるでしょう」
「確かにそう思えます、判りました早急に今回の事準備させます」
「ケスラー出来れば300万セットお願いします」
「お任せ下さい」


宇宙暦788年 帝国暦479年3月10日

自由惑星同盟ネプテイス捕虜収容所       アルフレート・ミュールマイスター

 いよいよ今日が来た、皆ソワソワしている帰れるのだ帝国へ、
皆この日を待っていたのだ。皇帝陛下のお慈悲により家族の元へ帰れる、
大多数の兵達は喜んでいるが一部は未だに、
『信じられない、帰国したら殺される』と騒ぐ者が居るが俺は皇帝陛下を信じる事にした、
社会秩序維持局は恐ろしいが、、まさか陛下の勅命を無視する訳がないはずだ。
荷物の準備は既に終わり、宇宙港へ向かうだけだ。

娘ももう15歳か無事でいてくれればいいが、
あの娘は母親に似て菫色の瞳、クリーム色の髪の美人だから、
変な男に騙されていなければ良いのだが其れが心配だ。
しかしあの子の身のこなしは、燕のようだから逃げ切れるだろう。

いよいよ出発だ、多くの兵が自発的に皇帝陛下万歳を言い始め、
看守に怒鳴られているが、その声は我々の心に染みいっていった。
さあ帝国へ帰ろう。


宇宙暦788年 帝国暦479年3月10日

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