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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
歩く一行
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カバーして多く戦ってポーションの減りが多いアタッカー隊へと、数が均等になるように長物隊やディフェンダー隊がポーション類を渡す。
全員が再度、装備の確認をしているが、その表情は硬い。これからボスと戦うのだから当然だ。いくら事前の打ち合わせでレベル的には死者ゼロでも攻略可能と言われても、怖いものは怖い。
アスカはすこし顔が強張っているキリトと最後の打ち合わせをする。

「昨日から何度も言ってるから、もう言う必要は無いと思うけど、わたしたちが相手する取り巻きの〈ルインコボルド・センチネル〉は全身をがちがちの金属装備で覆ってる。アスカの細剣じゃあ、普通に打ってもたいしたダメージが与えられない。だから・・・・」
「狙えるのは鎧と鎧の隙間の首一点、だろ?」
「うん。わたしが相手の得物を跳ね上げるから、すかさずスイッチで飛び込んで」
「ああ」

全員の準備が整ったのを確認したディアベルが、半円状にボス部屋の扉を取り囲む43人の顔をぐるりと見回す。
ダンジョン内で大きな声を出すとモンスターが集まってくるので、これまで巧みな演説を行っていたディアベルも、さすがに何も言わない。
闘志の秘められた瞳を正面に向けながら、ただ一度頷く。
そのまま振り返り、ディアベルは大きな2枚扉、ボス部屋の扉を開ける。
自動的に開いていく扉を見据えながら、全員が突撃体制に入る。
アスカも右手の〈ウインドフルーレ〉を握る力を強めて、腰を落とす。

全員が声を張り上げながらボス部屋へと突入した。


アスカも重宝していた、〈鼠のアルゴ〉なるプレイヤーが発行しているらしい攻略本にはボスや取り巻きの見た目、装備、使ってくるソードスキルのみならず、ボス部屋の情報まで示されていた。
横幅20メートル、奥行き100メートル。
だが、アスカはボス部屋に入って、想像していたよりも広く感じた。

一番後方のアスカとキリトが部屋にはいると、真っ暗だった部屋に色彩が広がっていく。
松明の火が灯っていくのと同時に,マーブル模様のような不思議な色合いの壁が四方を彩る。


そして遂にボス、〈イルファング・ザ・コボルト・ロード〉の姿が顕わになる。

大きい。
全長2メートルと少し、と書かれていたが、ずんぐりと太い体は自分の身の丈の倍はあるように感じる。
赤黒い体表を青灰色の毛皮装備で覆っており、ウサギのように生えている耳だけ出して頭部用金属鎧を着けている。
右手に斧、左手にバックラー。背中には曲刀カテゴリのタルワールが吊ってある。

玉座に座り込んでいたボスの目が、部屋が明るくなると同時にぎらりと赤く光る。
ドウッ!!
という効果音と共にその巨?からは想像できない俊敏な動きで飛び上がり地面を揺るがしながら着地。
それと同時にボス部屋の左右の壁の高いところか
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