暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第137話「手分け」
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か名が知れずとも腕の立つ霊術使いか…。

「……大門の守護者…?」

 悪路王は妖の中でも特殊な存在だ。
 何らかの理由で大門の守護者と敵対していてもおかしくはない。
 ……さすがに、考えすぎかな。

「とりあえず、本来の場所に向かおうか」

 用意していた術式(魔法)を起動させる。
 ちょっと魔力が勿体ないけど、優ちゃんに魔力結晶を貰ってるから問題ないね。





「うーん、了承しておいてなんだけど……きつくない?」

 結界を張り、周囲への被害はこれで極力なくなった。
 でも、改めて見るその大きな姿に、一人で倒しきれるか分からなかった。

「でもまぁ、やらなきゃ始まらないよね!」

「ォオオオオオオオオオオオオオン!!」

 北上龍神の咆哮と共に、戦いの火蓋が切られた。











       =アリシアside=





「がしゃどくろ……かぁ」

「あまり聞かないね」

「骸骨の妖ってわかるんだけどね」

 山形県の出羽三山と呼ばれる場所に、私達は転移した。
 椿たち曰く、ここにいるのは“がしゃどくろ”という妖。
 名前からして骸骨系なのは分かるけど……。

「建物を壊さずに済ませる自信ないなぁ」

「そのためにこれを貰ったんでしょ?」

「まぁ、そうなんだけどさ」

 アリサが持っているのは、鳥かごみたいな形の結晶体。
 これは、優輝が作ったもので、簡単に言えば即席の結界を張るものらしい。
 魔弾銃と同じで、魔力を持ってなくても使えるようだ。
 ちなみに名前は結界晶(けっかいしょう)らしい。そのままだね。

「一応、霊力の結界も使えるけど」

「結界に割いている余裕がないかもしれないからね」

「なるほど」

 ただでさえ実戦経験が少ないんだから、少しでも節約するのは当然だよね。
 出し惜しみなんてしてたらすぐ死んじゃうんだから。

「……ねぇ」

「……分かってるわ」

 幽世の門を探して歩いてる際に、一つの池に通りかかる。
 その瞬間、私達は足を止めた。

「池の中から……それに、この霊力は……」

「京都の土蜘蛛よりも上……だね」

 京都の土蜘蛛は、明らかに本来より弱いと分かる強さだった。
 …それでも、並大抵な強さじゃなかったけどね。
 でも、今感じられる力はそれ以上だ。

「っ……!来るよ!」

「っ!!」

 私がそう叫んだ瞬間、散り散りに飛び退く。
 同時に、アリサが結界晶を地面に叩きつけ、結界で隔離する。

「呪詛…!すずか!」

「うん!」

 現れた骸骨…がしゃどくろから滲み出る呪いの力を見て、すぐに霊力を練る。

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