―挑戦状リターンズ―
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ちが強くなるというものだ。
……一息ため息をつき、今日は寝るかとオベリスク・ブルー寮へと続く道から帰ろうとしたのだが、その時。
木々の間から、途切れ途切れに声が聞こえてくる……いや、これは声というよりは悲鳴と言った方が正しいだろう。
そして、どこかで聞いたことのあるこの悲鳴の正体は……
「……万丈目!?」
耳に自信がある方ではないが、今のは間違いなくオシリス・レッドの友人の一人、万丈目準の声。
あいつも俺と同様に苛立っていた為に、夜に森林の散歩をしていてもおかしくはないだろう。
そして、何らかの事故があったとすれば……?
「――ッ!」
出来るだけ急ぎ、声が聞こえた方へ走りだす。
闇のデュエルを体験するようになってからは少しは身体を鍛えているものの、あくまで一般人な自分には万丈目の正確な位置など分からないが、ほうっておくわけにはいかない。
それに、声が聞こえたということはあまり遠くない筈だ。
ならば自分の足でも間に合うかも……
だが、そんな俺を妨害するように目の前に男が立ちふさがった。
「お前は……五階堂!?」
俺の目の前に現れたのは、この前に三沢に挑んで敗れた万丈目を慕う中等部の首席、五階堂宝山だった。
ただし、自らの誇りのように着ていたオベリスク・ブルーの制服は俺と同じ蒼色ではなく、何故か純白であったが……
「斎王様から聞いたぞ黒崎遊矢! 万丈目先輩を学園から追いだしたのは、元はと言えば貴様のせいだそうだな!」
斎王様? ……誰だか知らないが、五階堂に事実ではあるが、余計なことを吹き込んでくれたものだ……!
しかし、今は知らない人相手に恨み言をを言っている場合ではない。
「その万丈目の悲鳴が聞こえたんだよ! さっさとそこをどけ!」
しかし、俺の心から万丈目を案じる言葉にも五階堂は動じず、せせら笑ってその場を離れない。
「馬鹿を言うな。今ごろ、万丈目先輩は洗礼を受けているところ。その場を貴様に邪魔されぬよう、貴様をここから通すなとの命令だ!」
洗礼? 五階堂が何を言っているのかはまったく分からないが、いきなり付けていたデュエルディスクを構えだした。
今の話から分かるのは、五階堂は万丈目を追いだした件で俺を恨んでいることと、その恨みをデュエルで返そうとしていること、万丈目のところに行かせないように誰かに命令されているということだ。
「なら、俺が勝ったらそこを通したもらう!」
「良いだろう! 俺が負けることなど有り得ないからな!」
デュエルディスクとデッキは、この深夜の散歩の本来の目的であるエドとのこともあって、万全な状態で持ってきている。
こちらもデュエルディスクを構え、五階堂と同じくデュエルの準備が完了
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