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ガードマン
第四章
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「吹き飛ばせても後が問題だろ」
「そうですよね」
「他の方法はないのか、水とかな」
「水陸両用、全天候に合わせて開発しています」
 だから水も効果なしというのだ。
「数百度以上の熱気もマイナス百五十度の冷気もです」
「じゃあ無敵か」
「ですから我が社の自信作です」
 またこう言う始末だった。
「そうおいそれとは」
「今ここで自慢するな。とにかく何かないのか」
「そうですね。バズーカの直撃も」
「無傷だったよ」
「流石ですね」 
 ここでもまた流石、といった声が出た。
「我が社の自信作です」
「もうその言葉はいいから何かあるのか」
「そこまでお困りだと強酸なり高圧電流なりを使うしか」
「その二つか」
「そうされてはどうでしょうか。とはいってもどちらも生半可にはいかないですが」
「わかった。じゃあどっちも使う」 
 警察側も本気だった。それで。
 彼等は有機王水をガードマンの射程範囲外からヘリで彼等の上から放ち郡が使う高圧電流を放つ爆弾も落とした。流石にこの二つは効きガードマン達も腐食し電流でショートし動きを止めた。
 それを受けてやっとアジトに突入出来てシンジケートの一味を倒せた。だが。
 こうしたことが頻発した。犯罪者達は次々にガードマンを使い彼等の為に使う、警察はその対処に追われることになった。
 この事態を受けて企業側は急遽ガードマンのシステムや性能のチェックを行いその弱点を見極めた、ガードマンの欠点はその有機王水だった。
 それで犯罪者達が悪用するガードマンは潰せる様になったがそれは犯罪者達も同じだった、彼等もまた有機王水をガードマンに浴びせてそこから犯罪行為に走る様になった。
 こうして事態は振り出しに戻った。誰もがこう言うのだった。
「これじゃあ同じだよ」
「そうだよな。犯罪者も使うしな」
「有機王水で倒されるし」
「持っていても弱点があるなら無用の長物だよ」
「これじゃあもういいよ」
「持ってる意味がないから」
 こうしてあまりにも強力であるが故に悪にも使われしかも弱点までわかったガードマン達は使われなくなった。彼等はがらくたになってしまった。
 当然ながらその開発も中止になった。企業の者達は閉鎖された工場の中でそこに置かれているだけのガードマン達を見て言った。
「まさかこうなって終わりとは」
「無残な話だよ」
 項垂れて言うばかりだった。結局また治安は悪くなり完全に振り出しに戻った。
 後に残されたのは動かなくなったガードマン達だけだった。スクラップにされた無数のロボットが廃棄工場に運ばれ潰されていく。そこにあるものは何もなかった。


ガードマン   完


       
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