プロローグ〜放蕩皇子の最後の悪あがき〜
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する為の下準備……それがリィン君達を”第U分校”に派遣してもらう為の私がメンフィルに提示する”対価”です。」
「……………………………確かトールズ士官学院の”本校”は2年で卒業だったな。分校も同じなのか?」
オリヴァルト皇子の答えを聞き、少しの間目を伏せて考え込んでいたリウイは目を見開いてオリヴァルト皇子に訊ねた。
「ええ、”第U分校”も単位を落とさなければ2年で卒業する事になっています。」
「そうか……………――――2年だ。」
「え………」
突然答えたリウイの言葉の意味がわからなかったオリヴァルト皇子は呆けた声を出したが
「2年間だけ、皇子の望み通りリィン達を派遣してやる。その間に”鉄血宰相”やセドリック皇太子との決着をつけろ。」
「!!寛大なお心遣い、心より感謝致します……!必ずや陛下のご期待に応えますので、どうかリィン君達の派遣の件、よろしくお願いします……!」
やがてリウイが自分の要望に応える事に気づくと頭を下げて感謝の言葉を述べた。
「―――ただし、条件が二つある。その条件を呑めるなら、俺がリィン達の説得を必ずする事を確約してやる。」
「……ちなみにその条件とは?」
しかしリウイの口から出た答えを聞いたオリヴァルト皇子はすぐに真剣な表情になってリウイを見つめて続きを促した。
「一つ目の条件はリィン達の”補佐役”として、こちらが選定した人物達にも”第U分校”に何らかの形で関われるように手配する事だ。なお、その人物達の”第U分校”での役割はこちらが指定する。」
「そのくらいでしたら構わ―――いえ、むしろ私としてもありがたいので、是非お願いします。もう一つの条件とは何でしょうか?」
「もう一つの条件はエレボニア帝国の政府、軍関係者による”命令”に対して補佐役を含めたメンフィルから派遣された者達が拒否権を発動できる特権をユーゲント皇帝に認めさせておく事だ。」
「フッ、その点はご安心下さい。既にヴァイス達からもその条件が出され、父上を説得して認めさせましたし、その際にメンフィルも認めるように説得致しました―――――」
リウイが口にした条件の内容を知ったオリヴァルト皇子は安堵し、静かな笑みを浮かべて答えた。
3月31日――――
〜メンフィル帝国領バリアハート市・バリアハート駅〜
お待たせしました。ヘイムダル行き旅客列車が参ります。白線の内側までお下がり下さい。
「………来たか。」
数ヵ月後、バリアハートの駅構内で列車を待っていた真新しい教官の服装を纏ったリィンは放送を聞くと静かな表情で呟き
「確かレン皇女殿下達は先にリーヴス入りしているのでしたわね?」
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