プロローグ〜放蕩皇子の最後の悪あがき〜
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した事もあるのです………」
リウイの推測にオリヴァルト皇子は辛そうな表情で頷いて答えた。
「…………………アルフィン夫人を再びエレボニアに関わらせようとするのは、セドリック皇太子にアルフィン夫人が自身と帝位継承争いする為に再びエレボニアに姿を現したと錯覚させてセドリック皇太子の野心や暴走を思いとどまらせる為か。」
オリヴァルト皇子の話を聞いて厳しい表情で考え込んでいたリウイはオリヴァルト皇子に問いかけた。
「はい。」
「………俺はセドリック皇太子を思いとどまらせる所か、むしろ逆にその事でセドリック皇太子が焦り、己の心に秘めていた野心をさらけ出して暴走する後押しになると思うがな。」
「それならそれでいいんです。後になればなるほど、”後戻りができない事”へと発展する可能性が高いでしょうから、そうなる前に対処すれば、セドリックがやり直せる機会が訪れる可能性を残せます。」
リウイの指摘に対してオリヴァルト皇子は決意の表情で答えた。
「……ほう?まさかセドリック皇太子を千尋の谷へと突き落とす事を考えているとは……正直驚いたぞ。」
オリヴァルト皇子の答えを聞いたリウイは興味ありげな表情でオリヴァルト皇子を見つめた。
「……正直な所、今でも迷っています。ですが、”その程度の覚悟”を持たないとエレボニアは滅びの道を歩んでしまう……私はそう思っているんです。」
「………………仮にセドリック皇太子の野心が暴走し、その暴走を未然に食い止めたとしても、セドリック皇太子は責任を取る為によくて帝位継承権剥奪。最悪は廃嫡や自害もありえる事はわかっているのか?」
「勿論わかっています。もしそうなった時でも最悪セドリックの命が失われる事は絶対に阻止するつもりです。」
「ユーゲント皇帝の跡継ぎはどうするつもりだ。もし唯一の帝位継承権を所有しているセドリック皇太子の帝位継承権が剥奪されるような事があれば、ユーゲント皇帝―――次代のエレボニア皇帝に即位できる者がいなくなる事態に陥る事はお前もわかっているはずだが?」
「その時は…………――――リィン君とアルフィンの間に産まれてきた子供を次代のエレボニアの皇帝にする事を父上や帝国政府に提案するつもりです。アルフィンは元々帝位継承権を所有していたのですから、アルフィンの子供ならば帝位継承権を所有する”資格”はあります。」
「…………二人の子供を次代のエレボニア皇帝に即位させる………それはどういう意味を示しているのか、理解して言っているのか?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたリウイは目を細めてオリヴァルト皇子に問いかけた。
「はい。リィン君とアルフィンの子供がエレボニア皇帝として即位した場合、エレボニアの民達がその事実を受け入れやすく
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