プロローグ〜放蕩皇子の最後の悪あがき〜
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の一員である私の訪問に応えて頂き、誠にありがとうございます。」
「……エレボニアが和解調印式で調印した”和解条約”を全て実行したのだから”俺自身”は今更ユミルの件を蒸し返すつもりはない。一体何の用でここに来た。」
会釈をしたオリヴァルト皇子の言葉に対して静かな表情で答えたリウイは真剣な表情になって問いかけた。
「……実は今日こちらを訪ねさせて頂いたのはリウイ陛下―――いえ、メンフィル帝国に協力して頂きたい事がありまして。」
「メンフィルに協力だと?その協力する相手はエレボニアか?それともお前自身か?」
オリヴァルト皇子の答えを聞いて眉を顰めたリウイは再度問いかけた。
「勿論私自身への協力です。実は―――――」
そしてオリヴァルト皇子はリウイにトールズ士官学院の分校である”第U分校”を設立した事やその理由を説明した。
「―――なるほどな。それがお前の”最後の悪あがき”……か。しかしそうなる前に何故”鉄血宰相”を排除しなかった?”特務部隊”による活躍で”貴族派”に加えて”革新派”も一時的に衰退し、更に”鉄血宰相”自身内戦終結に何の貢献もしていない所か正規軍の指揮権を持っている”宰相”としての働きすらもしなかったのだから、それを理由に奴を帝国政府から完全に追放できる絶好の機会だったはずだ。」
「ハハ………やはりその件について聞かれると思いました。宰相殿を追放しなかった理由は二つあります。一つは私自身、内戦終結後に起こるエレボニアの混乱を鎮める為には宰相殿の協力も必要と思った私の甘さです………」
リウイの指摘に対してオリヴァルト皇子は疲れた表情で答えた。
「……その結果国内の混乱を最小限の被害で治める事はできたようだが、”北方戦役”やエレボニア内戦勃発、そしてメンフィル・エレボニア戦争勃発の原因の一端を”零の至宝”が担っている事を理由に、クロイス家が”零の至宝”を創る原因となった至宝を”空の女神”がクロイス家の先祖に授けた事を理由に、リベールのようにエレボニア帝国政府や皇家を庇う宣言を”空の女神”がする事を要請した事で”空の女神”の逆鱗に触れた挙句七耀教会との関係は険悪化したのだから、お前の言う通り、奴に頼る事は浅はかな考えだったようだな。」
「返す言葉もありません………まさか宰相殿がわざわざ私やミュラー君を訊ねて来てくれた”空の女神”達と面会した挙句、内戦やメンフィルとの戦争勃発の責任を”空の女神”にまで押し付けて、”空の女神”に帝国内で起こった混乱を鎮める為の宣言をするように要請―――いや、強要するというまさに言葉通り”神をも恐れぬ”行動をするとは、完全に想定外でした………」
「フッ、だがそんな”鉄血宰相”の”強要”もあのエステルの先祖である”空の女神”相手では何の意味もない
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