第二章
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そのことに気付いている人間は彼等の中になく市民達も同じだった。だからこの異変に気付く者は誰もいなかった。
ある日とある市民の家に間違って酔っ払いが入った。彼は暴漢ではなくただ酔って帰る家を間違えただけだ。
しかしガードマン、家の玄関で門番をしていた彼はこうその酔っ払いに尋ねたのだ。
「アナタハドナタデスカ?」
「どなたですかって?」
酔っ払いはガードマンを自分の家のガードマンと考えた。それでこう返した。
「俺だよ。俺」
「俺?」
「そうだよ、俺だよ」
「私ハアナタヲ知リマセン」
こう返すガードマンだった。
「アナタハ誰デスカ?」
「だから俺だよ」
「不法侵入者デショカ」
ガードマンは無機質な、機械独特の調子で酔っ払いに問うた。
「ソウナノデスネ」
「おい、どうしたんだよ急に」
「不法侵入ハ許シマセン」
ガードマンはこう言ってそのうえで酔っ払いを攻撃しだした。その腕に持つマシンガンで撃ってきたのだ。
幸い酔っ払いは死ななかったがそれでも重傷を負った。こうした事件もあった。
これは酔っ払いの不注意ということで話が済んだがそれでも他の事件も起こった。今度はより深刻な事件だった。
警察が麻薬結社のアジトに攻撃を仕掛けた。かなりの数の警官を投入した大掛かりな作戦だった。
それで攻めようとしたがここで、だった。
アジトの前にあのガードマン達がいた。これには彼等も驚いた。
「何っ、あのガードマンが!?」
「ガードマンがシンジケートについているのか!?」
「馬鹿な、ガードマンは市民を護るんだぞ」
「市民の守護天使だ」
警察でもそう考えられていた。
「それが何故犯罪者の側にいるんだ」
「どうしてなんだ!?」
「まさか」
ここで警官の一人が気付いた。全員ヘルメットに防弾チョッキ、それに銃火器で完全武装という格好である。
「連中あのガードマン達にな」
「何か細工したのか?」
「そうなのか?」
「違う、このアジトを奴等の家にしたんだ」
ガードマンは家と家族を護るものだ、それならだった。
「だからああしてな」
「アジトを護っているのか」
「そうしているんだな」
「ああ、そうだ」
その警官はこう同僚達に言った。
アジトは既に包囲している、今すぐにでも総攻撃を仕掛けられる。だがその彼等の前に機械のガードマン達がいるのだ。
それを見て彼等はこう言うのだった。
「これはまずいな」
「あのガードマンは強いぞ」
「マシンガンでも勝てない」
「相手にならないぞ」
「それならな」
ここは幾ら相手が強くても対抗しなければならない、それでだった。
警官達はマシ
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