第四十三話 男爵ラインハルト
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テレーゼも8歳じゃ、其処で今回所領を与える事とした」
この話には色めきだつ貴族が多く出た、
先ほどの事など消し飛んだように明るい話が始まっている。
打ち合わせ通りに、リヒテンラーデ侯爵が陛下に尋ねる、
「皇帝陛下、皇女殿下におきましては、どちらの御領地をお与えなさるのですか?」
「うむ、国務尚書、ローエングラム領を与えるつもりじゃ」
またざわめきが聞こえる、ローエングラム領は豊かな星系だ。
しかもローエングラム伯爵家は銀河帝国開闢以来の名門、
その門地を皇女殿下に御継がせあらせらる。
それはつまり皇女殿下の配偶者がローエングラム伯爵と成ると言う事ではないかと、
多くの者が程度の差はあれど思いつくのに時間は掛からなかった。
多くの者から祝福の声が上がる。
「おおこのランズベルグ伯アルフレッド感嘆の極み、
皇女殿下の為に詩を捧げまする」
相変わらずの大げさなランズベルグ伯アルフレッド。
実は前日、陛下より内々に皇女に所領を与えると、
聞きその為の詩を作ってくれるようにと頼まれていたのである。
陛下より直々のお願いに、
感動したランズベルグ伯アルフレッドは、
その夜一晩考え下手な詩を作って居たのである。
ローエングラム伯爵家一門は少々不満そうだが、あからさまには顔に出さない。
「ローエングラム領を与えると言うても、予の直轄地とし其処からテレーゼに、
与えると言う事じゃ、ホンに与えるのはもう少し後じゃな」
皆納得したような顔をし始めたり、
それでも目出度いとなにやら算段する者達も多く見られた。
フレーゲル男爵は、ブラウンシュヴァイク公に話しかけている。
『伯父上、此でわたくしもローエングラム伯爵ですぞ』
なにか勘違いしているフレーゲル男爵、
もう既にテレーゼの婿になる気満々である。
「それとじゃ、各省庁に勤め功績を上げし者に帝国騎士位を下賜するものとする」
其れの関しては殆どの貴族が気にとめない様子であった。
今更価値の殆ど無い帝国騎士を誰が貰おうと些かも関係がないからであった。
所がである、皇帝陛下の次のお言葉に黒真珠の間に大いなるざわめきを巻き起こした。
「予の寵姫グリューネワルト伯爵夫人の弟が幼年学校に行っておってな」
皇帝に言葉に何が始まるのかと聞き耳を立てる貴族や軍人達。
「その者が幼年学校で爵位も持たぬ貧乏人めと言われたそうじゃ、
仮にも予の義弟じゃ、その様な事をアンネローゼが言いおっての、
予としては彼の者に男爵を授けるつもりじゃ」
ざわめきが大きくなる、
フレーゲル男爵などはブラウンシュヴァイク公爵に、
『伯父上、あの金髪の成り上がりモノの下賤の餓鬼が私と同じ男爵ですと!!』
と怒り狂っている。
小声ではある
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