暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア ~とある武偵の活動録~
over Tokyo Bay―
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「アリアの双剣双銃は本物じゃない。お前はまだ知らない。この力の事を―!」

しゅるっ………しゅるるっ。

不敵な笑みをたてながら、ツーサイドアップのツインテールの片方が―神話のメドゥーサのように、動いて―

シャッ!

背後に隠していたと思われるナイフを握り、アリアに斬りかかった。

「!」

1発目は驚きながらも避けたアリアだが―

「あはっ。次はどうかなー?」

ヒュッ!

ESSの反射神経と視力で捉えたその髪は―アリアの側頭動脈を狙っている。

「っ!」

俺はすかさず理子の髪を斬ろうと、剣を振るう。
―が、一瞬遅かった。

ザシュッ!

ヒュンッ!

刹那、聞こえたのは―1つにも聞こえそうな2つの音。
理子の髪の毛がアリアを斬りつける音と俺の剣が空ぶった音だ。

「うぁっ!」

アリアが真後ろにのけ反る。

…ちっ、側頭部をやられた。だいぶ深いぞ―!

「はは……曾お爺さま……108年の歳月は、こんなにも子孫に差を作っちゃうもんなんだね。勝負にならない。コイツ―自分の力すら使えてない!」

ザッ!

追い討ちをかけるように、その髪でアリアを突き飛ばす。 かなりの怪力なのか―アリアはいとも簡単に突き飛ばされてしまった。

「アリアっ…………!!」

俺はアリアを守るように胸元へ抱き抱える。
その頭からは、血がじわ……と流れてくる。

「勝てる……勝てるよ!理子は今日、理子になれる!」

またしても意味の分からないことを叫びながら、ナイフに付いた血を、ペロッ。美味しそうに舐める。

―ありえん。アイツは……バケモノだ。
早くアリアを連れて逃げないと………!

「きゃはははっ!ねえねえ、この狭い飛行機の中―どこへ行こうっていうの―?」

背後から聞こえてくる理子の声。

そんなのを気にしているヒマはない。
今は一刻も早く―アリアを助けなければ……!

お姫様抱っこで抱えたアリアは、驚くほど軽かった。
…人間というものは、暴れてたりこわばってたりすると実際より重く感じられる。
今のアリアは意識が途切れかけているのか、脱力しきっている。

さっきのスィートルーム…アリアの部屋に逃げ込んだ俺は、アリアをベッドに横たわせた。
血まみれの顔面と頭を、備え付けてあったタオルで拭ってやる。

「う…………っ」

うめくアリアのこめかみの上、側頭動脈には深い切り傷がついている。
頸動脈ほどの急所ではないが、すぐさま止血しないと―

「アリア、しっかりしろ……傷は浅い!」

武偵手帳に挟んであった止血テープで、アリアの傷を塞ぐ。だが……止血テープとはワセリンで強引に血を止めるだけの、その場しのぎにしかならないモノ。
アリ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ