妖精の尻尾
妖精の尻尾復活編
蛇姫の鱗感謝祭
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不明になった妖精の尻尾はそれどころじゃなくなってずっと感謝祭は行われていなかった。だからウェンディたちはまだ各ギルドにあるそういうイベントのことを知らずにいたんだろうな。
「オオーン!!シェリア!!もうすぐ始まるからこっち来ておけよ!!」
「うん!!わかった!!」
なかなかやって来ないあたしたちに怒ったトビーが呼びに来た。それを聞いていまだに駄々っ子になっているシリルを引っ張りながらステージ脇へと向かう。
「あ!!やっと来ました!!」
ステージ脇であたしたちを出迎えたのはギルド最年少のサクラ。敬礼する彼女は相当心配していたらしく、こちらを見るやすぐさま駆け付けてきた。
「もう!!遅いですよ!!」
「ゴメンゴメン」
「シリルが出たくないって突然言い出してね」
「俺はずっと言ってたよ!!」
隙あればこの場から逃げ出しそうな彼の腕を2人で掴み絶対に離さない。そんな中、少年はある人物たちに助けを求めようとした辺りをキョロキョロしていた。
「あれ?シャルルとセシリーは?」
ウェンディとシリルの相棒であるエクシードのシャルルとセシリー。たぶん2人じゃ助けてくれないと思うけど、わずかにでも可能性があるならとそれに賭けてみたみたい。
「そう言えばずっと見てないよね?」
「あれ?どこ行ったんだろ」
シリルに言われて気が付いたが、朝準備を終えてからその姿を一切見ていない。同じエクシードのラウルも見てないけど、どこに行ったのかな?
「3人なら客席に行くって飛んでいきましたよ。屋台でも見てるんじゃないですか?」
最後の望みも断たれたシリルの顔といったら、まるでこの世の終わりみたいな顔になっている。そもそも彼は今までもこんな格好をやってきてたわけだし、今さら気にする必要もないと思うんだけど・・・
「あ!!始まりますよ!!」
サクラの声を聞いて客席から見えないようにステージを覗く。そのステージ上に立っているのは司会のユウカ。
「まずは我が蛇姫の鱗のエース、リオンとレオンによる氷の演舞をご覧ください」
紙吹雪が舞い降りてくる中姿を現す2人のバスティア。2人は氷の鳩を作り出すと、それを上空へと逃がす。
オオッ
洗礼された美しい造形魔法に観客たちは感嘆の声を出すと、彼らは手を合わせ上空の鳩を破壊する。
ダイヤモンドダストのように空から降ってきた氷。それだけでも大変綺麗だったのだが、小さな子供たちがいる場所に降ってきたそれがある生き物へと姿を変える。
「うわー!!うさぎさんだー!!」
「かわいいー」
現れたのは可愛らしいたくさんのうさぎ。本物そっくりに動き回るそれを見て、子供たちも大人たちも大興奮だ。
盛大な拍手の
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