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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邪願 3
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し。彩菜ちゃん、声もそうだけど物腰も快活で嫌味がなくていいわよね。それも作ってる感じがしない、自然にできてる♀エじ。でもそれが素なのよね?」
「はい。普段から素の自分をさらけ出すようにしているんです」
「どうして?」
「オーディションなどで初めて顔を合わせる人たちに自分をさらすのはとても不安で緊張します。でもかっこつけて本来の自分とかけ離れた姿を見せると、不器用なあたしはあとでどんどん苦しくなってしまうんです。選んでくれた人も、がっかりさせてしまいます。だから初対面の人の前であればあるほど、ありのままの自分でいようと努力してます。お仕事をいただけるように人に選ばれるときは、どこまで自然体でいられるかが大事だと思うんです」
「…………」
「…………」
「あ、あれ? あたしなにか変なこと言っちゃいましたか?」
「ううん、とても素敵な考えだなって」
「素で性格の悪い奴にはできない芸当だな。性格といえば●●って新人に挨拶されても無視するくせに格上の共演者には媚び売りまくりってほんとう?」
「あ、そういうのにはお答えできません。ノーコメントです」
「××はファンと握手するのが恒例のイベントでオタからの握手をかたくなに拒否したっていうのは――」
「だから答えられないんですってば」
好きの反対は無関心という言葉はほんとうなのかも、そう思う彩菜であった。
深夜。
もう日づけが変わろうという時刻に彩菜は家にたどりついた。
一戸建ての小さな家でかなり年季の入った古い木造家屋だが、まだ基礎はしっかりとしている。彩菜が幼い頃に他界した母方の祖父が残してくれたものだ。バブル景気が泡と消えた後も辣腕の実業家として活躍していた人らしい。
だがある時期を境に急にやることなすことうまくいかなくなり、最後の最後に残ったのはこの小さな土地と小さな家だけだった。
彩菜の父は母が受け継いだこの家で祖母が亡くなるまで同居していたが、いまがいそがしいビジネスマンとしてあちこちに単身赴任していてめったに帰ってこない。
『父さんはこの家を新しくして彩菜にあげるために働いているんだよ』
休日出勤をする父はよくそう言ってだだをこねる幼い頃の彩菜をなだめていた。
「ただいま」
返事はない。
ドアに鍵はかかっておらず、オレンジ色の常夜灯がかすかな明かりを灯している。
「お母さん、ただいま」
母の部屋に向かって声をかける。人の動くわずかな気配があったが、それだけだ。
帰りが遅くなったにもかかわらず、電話もメールもなかった。「おかえり」のひとこともない。妖虫老人に襲われたさいに汚した服の言い訳をしないですむのはありがたいけれど。
いつからなのか忘れてしまったが、彩菜が中学に入った頃には母は彩菜を見なくな
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