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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邪願 3
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みてえに映画みてえに、命を賭けてたったひとりの女の子を守る、魔術師になりたかったんだろ! だったらそれは全然終わってねえ!! はじまってすらいねえ!! ちっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!! ――手を伸ばせば届くんだ。いい加減にはじめようぜ、魔術師!」
「なげぇよ! 長すぎるよ、それっ! なにが『いい加減にはじめようぜ、魔術師』だよ、おまえが口閉じて早くはじめろよ! どんな作品のどんな場面だか知らないが、そんな長い科白言ってるあいだ絶対間が持たないだろ。俺がその魔術師とやらだったら、絶対途中でスマホいじりはじめるね。もし敵対状態だったら黙って先制攻撃するね。キメのシーンなのかも知れないけどさ。――いやこれ、どっかの小説投稿サイトだったら『原作の大幅なコピー』とか文字数稼ぎとかに抵触しちゃうんじゃないの?」
「この程度まだまだですよ。いまもっと長い科白の暗記に挑戦してるんです。えっと……俺だって悔しいよ。悔しいに決まってる。そんなの悔しいに決まって――」
「それもういいから! そんなことより霊災だよ、霊災。川平に問い詰めたんだが、老人の顔をした虫みたいな動的霊災に襲われたんだって? しかもやつらは君のことを花嫁と呼んで横取りするなとか言っていたとか」
「……はい、たしかにそう聞こえました」
「妖怪に見染められるようなおぼえは?」
「そんなのまったくありません! でも、あの化け物には前にも遭っていて……」
彩菜は帰宅途中の夜道で起きた出来事を説明した。
「そんな呪術BARなんて聞いたことないなぁ」
「彩菜ちゃん、さっきのお札見せてくれる」
「はい、これ。そこのマスターがただでくれたんです」
見なれた陰陽庁謹製の呪符。白い紙に墨痕鮮やかに記された梵字は尊勝陀羅尼にまちがいない。
京子の目が呪符を視て、そこに込められた術式を鑑定する。
「……かなり高い威力が込められているわね。ただし効果は一度きり、でも呪力を補充すれば何回でも使えるタイプよ。周囲の霊気を吸収して自然補充する機能もあるわ」
「けっこう値の張る呪符だぞ、これ。こんなものをほいと差し出すとは、そのマスターかなりの太っ腹だな」
「はい、感謝しています。これがなかったら今頃……」
「今のところ霊災の気配は感じられないから直接憑かれているとは考えにくい。川平のほうも同様にだ。運悪く野生化した野良霊災に遭遇しただけかもしれないが、だれかが呪詛式を打った可能性もあるから念のため呪捜部に相談したほうがいいな」
「呪捜部、ですか……。でもあたしちょっと苦手で」
厭魅蠱毒、呪詛怨念。人の、呪術が持つ闇の面に接することを生業とする呪捜部と呪捜官は本職の陰陽師でも忌避する人は多い。まして一般人ならなおさらだろう。
「ちょっと秋芳君、呪捜部なん
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