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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邪願 3
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というかいつ呪殺されてもおかしくない。これを機会に身を慎むようにするんです。それが最善の方法です」
「はい、陰陽師の先生のおっしゃるようにします」
「これからは罪滅ぼしのために職務に忠実になるのです。あなたの目から見て花園彩菜さんは声優としての素養はありそうですか? 下心なしに」
「ええ、もともと子役やインディーズアイドルとしての経験があるのでタレントとしての下地はできあがっています。歌や演技のスキルも研修生としては上手なほうなので、経験を積んでいけばプロになれる素養はじゅうぶんありますよ」
「なら彼女を全力でプロデュースしてください。良き行いをすればそれが贖罪となり、悪いものからの障りがなくなることでしょう。繰り返しますが下心なしに、ですよ。あくまで仕事上のつきあいで、有望な若手声優を育てて業界に貢献することで功徳を積むのです。そうすれば悪業が去り、呪詛や霊災から遠ざかることができます」
「はいっ、もちろんです。あんな化け物に襲われるくらいだったらなんだってします!」
「では治療費のことですが――」





「剣を握らなければ、君を守れない。剣を握ったままでは、君を抱きしめられない」
「きゃー! かっこいい!」
「どうしてかな? あの人のためなら、命もいらないって思った瞬間から、いま、自分が生きてるって感じるようになったのは……」
「きゃー! ぐっときちゃう!」
「っとに、あんたって救いようのないバカね。しょうがない、あたしが地獄までつきあってあげるわ。見くびらないでちょうだい、あたしにだってあんたの背中を守る事くらいは出来るんだから、この期におよんでいやとは言わせないわよ!」
「きゃー! 燃え萌え!」

 演劇論についての熱い語りは終了し、彩菜はふたたびなにかのキャラクターの科白を言わされ、京子はそれを聞いて狂喜乱舞している。

「さっきからなにをしているんだ。声優も声優志望者も、ボタンを押せば珍ボイスが発声するおもしろマシーンなんかじゃないぞ」
「だって彩菜ちゃんてすごいのよ、いろんなキャラのいろんな科白を暗記していてしゃべれちゃうの。これってなかなかできることじゃないわよ」
「いや、でも俺らだって長い真言や祝詞とかちゃんとおぼえてるし、いっしょだし」
「ねぇ、さっきの一番長いあれ。彼にも聞かせてあげて」
「は、はい――」

 彩菜は軽く深呼吸をして息を整えると、一気呵成に長科白を口にした。

「ずっと待ち焦がれてたんだろ、こんな展開を! 英雄がやってくるまでの場つなぎじゃねえ! 主人公が登場するまでの時間稼ぎじゃねえ! ほかの何者でもなく! ほかの何物でもなく! テメエのその手で、たったひとりの女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねえのかよ! ずっとずっと主人公になりたかったんだろ! 絵本
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