人狩りの夜 1
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踊れ》」
空気が渦巻く音を立てて猛回転し、見えざる伐採機が真空の刃でもって木々を刈り散らす。
黒魔【シュレッド・テンペスト】。風系のC級軍用攻性呪文。
指定空間を中心に巻き起こる風が無数の真空の刃となって回転し、嵐の範囲内にあるものを切り刻む呪文。
軍用魔術としては低威力だと評されることが多いが、魔術に対する防御手段を持たない一般人にとっては大いに脅威である。
「うわぁぁぁぁぁッッッ!!」
「はっはっは! そこかな? ここかな? それとも、あそこかな?」
「むこうに逃げたようですぞ、イーグル卿」
「ちくしょぉぉぉッ!?」
荒れ狂う風刃に追われ、悪態とも悲鳴ともつかない声をあげながら、ボルカン人が茂みから飛び出る。
もう、身を隠す場所はない。
「出てきた、出てきた。さぁ、次はマンティス卿の番です」
イーグル、マンティス。ふたりの狩人はそれぞれ鷲とカマキリを模した仮面をしていた。獲物を襲い、食らう。捕食者の仮面を。
狩人達はその仮面に応じた名で呼び合っている。
「おや? 銃をなくしたようだ」
風の刃から逃れるべく必死になって逃げまわっているうちに、まだ弾の残っていた銃を手放してしまった。
「ちくしょう! クソったれのクソ野郎が、やるならやれ!」
覚悟を決めたボルカン人は素手でかまえをとり、馬上の狩人を睨みつけた。
「よろしい、その覚悟や良し。イーグル卿、腰の物をお借りしますぞ」
マンティス卿はイーグル卿から受け取った細身の剣をボルカン人の前に投げつけると、馬から降りてみずからのレイピアを抜き放った。
「もし私に勝てたら褒美を与えたうえでここから出してやろう」
「…………!」
意を決したボルカン人がレイピアを手にしてマンティス卿に突きかかった。
「ほほう、それなりに心得があるようだ」
わざわざ剣の勝負を挑んだだけあって、マンティス卿はレイピアのあつかいに長けていた。素早い動きでボルカン人の攻撃をことごとく躱し、鋭い突きを返す。
ボルカン人のほうも戦闘経験があるようで、あきらかにあつかい慣れないレイピアを懸命に振るって切っ先を払い、相手の防御をかいくぐって反撃する。
しかしその技量には明らかなへだたりがあった。
本能と経験にしたがい剣を振るうボルカン人に対してマンティス卿の剣さばきは訓練に裏づけされた洗練されたもの。確実で隙のない動きにボルカン人はたちまち肩や腕に無数の傷を負わされた。
通常の決闘ならば降伏が認められるほどの怪我だったが、これは決闘ではない、殺し合いだ。
もはや勝利を確信して必殺の突きを放ってきたマンティス卿の剣を、ボルカン人はおのれの脇腹で受け止めた。
「なんと!」
肉
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