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ハルケギニアの電気工事
外伝:残された人々?とあるメイジ達の困惑
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夫人は訓練場の片隅に出てきて息女のメアリー様を遊ばせながら、空を見上げている。アルバート様も連絡用の鷹位連れて行けば良かったのだが、私たちも忘れていたのだからどうしようもない。

 一応、量産できるようにトイレのパーツを作る訓練をしている。木だけは近くに森があるのでいくらでも手に入るから、のんびりやっても10棟分位はすぐ出来てしまうようになった。実際には設置する現場で作る予定なので、此処で作ったものを持って行く事はないのだが、結構良い出来になっているのでもったいない気もする。
 今日は特に急ぎの用件も入ってこなかったので、キスリングと二人、のんびりしている事が多かった。

 アルバート様が出発してから4日目。

 今日は朝から募集の申込者について情報が入ってきた。先日までに申し込んできた者の名前や年齢その他の情報を、各村の村長が纏めて送ってきたのだ。こちらはそれを面接用に書き直して、アルバート様が帰ってきたらすぐにお見せできるようにする為の作業を行なった。30人分の情報をキスリングと二人で纏め上げるのに、ほぼ午前中一杯掛かってしまった。

 午後からはトイレについて上がってきた改善点を検討し、窓の位置や形状、ドアの立て付けについてなど細かい事の修正を行っていた。消臭剤も完璧だとキスリングが笑っていたのでこちらも問題無いだろう。まだ消毒薬の方は試験が終わっていないようだが、元が伯爵夫人の作った物なので、失敗のしようがないとも言えるから安心している。

 屋敷がざわつきだしたのは昼を過ぎて1時間位たった頃だろうか。物見台から伯爵夫人に伝令が走って行った所を見ると、アルバート様が戻ったのだろう。私たちもお迎えに出る事にした。

 すぐに伯爵夫人がメアリー様と一緒に訓練場にやって来た。空を見上げている姿を見ると、本当に戻ってきてくれて良かったと思う。

 やがて、『ヴァルファーレ』の姿が訓練場の上に着き、静かに降りてきた。着陸するとアルバート様がベルトを外し滑るように『ヴァルファーレ』から降りてくる。地面についたと思ったらいつの間にか伯爵夫人がアルバート様の後ろに立っていて、後から思い切り抱きしめていた。メアリー様もすぐ側でアルバート様の服の裾を握りしめている。
 私はその光景を見ていて、ほっとするのと共に、思わず目頭が熱くなってしまった。本当に伯爵夫人もメアリー様も心配なさっていたのだろう。伯爵様もいらっしゃれば良かったのだが、今朝早く皇城からの使いが来て出かけられてしまった。明日には戻られるとの事だったが、帰っていらした事を知れば屋敷にいられなかった事を残念に思うだろう。

 感動の対面が終わり、アルバート様が伯爵夫人から解放されたので、私たちもご挨拶に向かった。4日足らずの間にアルバート様はすっかり日に焼けて真っ黒になってい
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